【冷蔵&冷凍テク】秋フルーツを賢く保存!旬のおいしさをキープする方法を伝授

正しい保存方法を伝授。秋のフルーツを長く楽しもう♪

秋の味覚のひとつとして外せないフルーツ。旬のうちにたくさん堪能したいですよね。ただ、「新鮮なうちに食べたいけれど、一気に消費できない」「冷蔵庫で保存していたら、おいしくなくなってしまった……」ということも。じつは、フルーツを新鮮なまま保存するにはコツがあるんです。

この記事では、食品保存について詳しい料理研究家の島本美由紀さんに、秋フルーツ5種類の冷蔵&冷凍保存テクを教えていただきました。

「ご紹介する冷蔵テクは、おいしさを落とさずに保存できる方法です。少しの手間で新鮮さをキープできますよ。そして、冷凍保存をする際は使い勝手も大切なポイント!冷凍に向かないフルーツは基本的にありません。上手に保存すれば、無駄なく、栄養も逃さず、旬のフルーツが楽しめます」

最大3カ月もおいしさをキープできる島本さんの保存テク。ぶどう、いちじく、梨、柿、桃の順でご紹介します。

1. ぶどうの冷蔵・冷凍保存テク

【冷蔵】はさみでひと粒ずつカットし、水分を避ける

保存期間:約1週間

「ポキッと手で実を取ってしまいがちなぶどうですが、穴が空くとそこから劣化しはじめます。2~3mmほど枝を残し、はさみでひと粒ずつカットしましょう。ひと粒ずつ切り離すのは、枝から実がポロポロと落ちるのを防ぐほか、重さによるダメージを防ぐためでもあります。

また、カビの原因になる水分はぶどうの大敵です。洗って水気を拭いたらペーパーを敷いた容器に、実が重ならないように入れ、野菜室か冷蔵室へ。そうすることで実が潰れず、新鮮さをキープできます。冷蔵室で保存する場合、冷気の吹き出し口に近い場所に置くと凍ってしまうため、避けて置きましょう」

【冷凍】空気を抜いて平らに保存する

保存期間:約3カ月

「冷蔵と同様、2~3mmほど枝を残し、はさみでひと粒ずつカットするのが1番のポイントです。皮は実を守るラップとしての役割があるので、穴が空くと劣化や乾燥で味が落ちるスピードが速くなります。カットしたら洗って水気を拭いてください。

チャック付きポリ袋に入れて空気を抜き、アルミバットにのせて平らに冷凍します。平らにすることで素早く冷凍できるため、おいしさもキープできますよ。

冷凍したぶどうには裏ワザがあって、水にさらすとツルンと皮が剥けて食べやすくなります。凍ったまま、もしくは半解凍をしてシャーベットにするか、ヨーグルトのトッピングにするのがおすすめ。冷凍フルーツなりのおいしい食べ方を楽しみましょう!」

2. いちじくの冷蔵・冷凍保存テク

【冷蔵】いちじくは繊細。丁寧に扱うことが大切

保存期間:約4~5日

「いちじくの実の部分は、じつはお花。お花は水分が豊富なので、余分な水分を吸収させるために、キッチンペーパーで包んで保管する必要があります。そして、いちじくは秋フルーツのなかでも足が早く繊細です。皮がやわらかく、傷つけるとそこから劣化することも。

ひとつずつ丁寧にキッチンペーパーで包んだら、チャック付きポリ袋に入れてください。キッチンペーパーが余分な水分を吸収し、傷みにくくしてくれます。もちろん、重ねたり、ぎゅうぎゅうに入れたりするのはNG。実が潰れないように、袋に余裕のある状態で野菜室に入れましょう」

【冷凍】1個ずつラップで包んでからポリ袋へ

保存期間:約3カ月

「いちじくは皮が薄く劣化しやすいので、1個ずつラップに包んで乾燥からしっかり守りましょう。ラップに包んだらチャック付きポリ袋に入れ、二重包装して冷凍するのがベストです。

冷凍いちじくは、水にさらすと皮がツルンとむけ、3~5分ほど室温に置けば好きな大きさにカットできます。シャーベットはもちろん、お菓子の材料にもぴったり。

フレッシュだとやわらかくて切りにくい実も、冷凍してあることで扱いやすくなりますよ。ちなみに完全解凍するとコンポート風の食感に!バニラアイスを添えて食べてもおいしいです」

保存期間はあくまで目安。いちじくはとくに注意が必要!

「保存期間の目安をお伝えしていますが、フルーツの状態によってその期間は多少異なります。とくに足が早いいちじくは、その辺りとても敏感です。食べ頃のものはすぐに食べるか、冷凍するのが良いでしょう。

いちじくの食べ頃を見極めるには、おしり部分をチェックすること。ピキッと亀裂が入っているものは、食べ頃のサインです!」

3. 梨の冷蔵・冷凍保存テク

【冷蔵】果実の呼吸を抑えて新鮮さをキープ

保存期間:約3週間

「梨はひとつずつキッチンペーパーで包み、ラップをしてチャック付きポリ袋に入れます。冷蔵庫に入れる際は、ヘタ部分を下にして置くのがポイント!

ヘタを上にしていると、木から生えていたときと同じ状態なので呼吸を続けてしまうんです。梨は追熟しませんが、劣化はします。ヘタを下にして置くと呼吸を抑えるため、劣化を遅らせることができますよ。保存は野菜室に入れましょう」

【冷凍】食べやすく切って小分け冷凍が便利

保存期間:約1カ月

「梨の冷凍は、使うときの便利さを重視してみて。食べやすい大きさにカットし、一度に食べきれる量をラップに包んで、チャック付きポリ袋に入れて保存しましょう。

半解凍状態でシャーベットとして食べるのもいいですし、スムージーにするのもいいですね!1回分が使い切りになっていることで、朝食時や忙しいときにも活躍しますよ」

4. 柿の冷蔵・冷凍保存テク

【冷蔵】水分をキープして劣化を防ぐ

保存期間:約3週間

「柿は、ヘタが実の水分を吸収することで劣化します。濡らしたキッチンペーパーやコットンをヘタの上にのせて水分をキープしましょう。ペーパーをのせたら、ひとつずつラップに包み、チャック付きポリ袋に入れます。

梨同様、呼吸量を抑えるためにもヘタを下にして野菜室へ。ペーパーの水分が乾いていないか時々確認をして、乾いていたら交換してくださいね」

【冷凍】カットでも、丸ごとでも冷凍可能!

保存期間:カット……約1カ月、丸ごと……約3カ月

「柿はカットでも、丸ごとでも冷凍可能です。カットする際は食べきれる量をラップに包み、丸ごと保存する際はひとつずつラップで包んでください。冷凍する場合は、濡れたペーパーは必要ありません。どちらもチャック付きポリ袋に入れて冷凍室に入れましょう。
ちなみに、私のおすすめの食べ方は、まるごと柿のシャーベット。10分ほど解凍したらヘタ下3cmほどをカットして、そのままスプーンですくって食べます。見た目もかわいらしいですよ♪ 」

5. 桃の冷蔵・冷凍保存テク

【冷蔵】寒さに弱い桃を冷気から守る

保存期間(冷蔵):約1週間

「桃はとにかく寒さに弱く、表面もデリケートで傷みやすいです。じつは、購入する際についているネットはとても大事なんですよ。ネットに入れたまま保存することをおすすめします。
冷蔵庫で保存する場合は、桃を冷気から守るため、キッチンペーパーでひとつずつ包んだ桃にラップをし、さらにネットに入れてからポリ袋に入れ、野菜室で保存します」

4日以内に食べるなら常温保存で十分

保存期間(常温):約4日

「すぐに食べる予定なら常温保存で問題ありません。常温保存するときは、ネットをした状態で新聞紙に包み、ポリ袋に入れましょう。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーで包んだ桃をネットに入れ、ポリ袋で保管するのでもOKです」

【冷凍(丸ごと)】ストローを使って空気を抜く

保存期間:約3カ月

「桃は大きく、袋の空気が抜けにくいので、そのままだと酸化が進みます。できるだけ空気を抜いてチャックをしましょう。ストローを袋に差して空気を吸うと、真空パックのような状態にできますよ。

また、桃は丸ごと冷凍することにより皮と実の繊維が壊れ、水にさらすだけでズルッと皮が剥けます。そのまま煮込めば贅沢なコンポートに。15~20分ほど室温に置いておけば好きな大きさにカットできるため、シャーベットとしても楽しめますよ」

【冷凍(カット)】レモン水で変色を防止

保存期間:約1カ月

「桃は変色しやすいので、カットした桃を冷凍したいときは、レモン水に1~2秒サッとくぐらせてから冷凍しましょう。

桃はねっとりしてる分くっつきやすいです。ラップを敷いたバットに桃を少しずつ離して置き、上からもラップをかぶせて一度冷凍してください。半日ほど冷凍したら、チャック付き保存袋に移して保存します」

旬のおいしさをキープ。保存テクをうまく活用して

「もちろん食べられるときは、食べ頃にいただくのが一番。食べきれないときにぜひこのテクを試してみてくださいね。あとは、あらかじめ冷凍しておいて、朝食やおやつにうまく活用するのもいいと思います」

秋フルーツのおいしさを逃さない保存テク。ちょっとしたひと手間で劣化を遅らせ、長く楽しめます。冷凍さえすれば、冬近くまでおいしさをキープできるなんて驚きですよね。旬のフルーツを最高の状態で堪能してください♪

取材・文/猪狩明日奈
撮影/實重かおり(macaroni 編集部)