既報通りタイウォ・アウィニイは新シーズンも、1.FCウニオン・ベルリンにてプレーすることが正式に発表された。6年間過ごしたリヴァプールFCでは、労働許可が下りなかったことでレンタル移籍を繰り返してきた23歳のCFは、そのため1度もリヴァプールで出場することなく完全移籍で、昨季にレンタルでプレーしたウニオンへと加入する。特に契約に関する詳細は明かされていない。

 「昨シーズンに彼を知り、そして高く評価していた」と語ったルーネルト取締役は、「彼の強靭さ、情熱、そして学習意欲やその高い向上心が、今回の獲得にむけて全力を尽くそうという要因となった。その結果成功をおさえめられたのも、関係者各位の努力の賜物だよ」とコメント。

 一方でFSVフランクフルト、NECナイメヘン、ロイヤル・ムスクロン、KAAヘント、マインツ、そしてウニオンと続いた「ここ数年のレンタル生活を経て、ようやくホームを手にすることができたことが嬉しいよ」とアウォニイは述べ、「完全移籍を締結できたことは幸福であり誇りだ」と言葉を続けている。

 レンタルにて加入した昨季は、2月に筋束を断裂したために終盤での離脱を余儀なくされ、リーグ戦21試合の出場に止まっており、その中で5得点3アシストを記録。これから夏季合宿に合流する同選手は「クラブと共に、この素晴らしい歩みを続けられることは素晴らしい。早く負傷前の状態に戻るよう全力を尽くす」と意気込みをみせた。


 なお英国のメディアでは今回の買取り金額が750万ユーロと報じられたものの、こちらについてはルーネルト取締役が否定。原則的に「750万ユーロも出して、我々が選手を獲得するようなことはない」と答えている。それでもウニオンにとって巨額の移籍金を投じ、さらに成果に応じたボーナスも加えられた可能性もあるだろう。加えて次回移籍時の移籍金の一部支払いの可能性も指摘されているところ。

 コロナ時代にあってブンデス昇格からまもないウニオンが、加えて他クラブから関心が寄せられ英国での労働許可を得ていたにもかかわらず、これほどの契約を結ぶことは驚きだ。「我々は粘った」と胸を張ったルーネルト氏は「いいタイミングで合意する機会を得た」と強調。そしてこの夏の移籍市場では「何も起こらなければ、既存のメンバーで非常に良い選手が揃っていると考えている」とも明かした。