中国国家衛生健康委員会が発表した「喫煙による健康危害報告2020」によると、15歳以上の中国人の喫煙率は26.6%で、男性の喫煙率に限ると50.5%だった。以前と比べると喫煙率は低下しているとはいえ、諸外国と比べるとまだ高い水準だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国国家衛生健康委員会が発表した「喫煙による健康危害報告2020」によると、15歳以上の中国人の喫煙率は26.6%で、男性の喫煙率に限ると50.5%だった。以前と比べると喫煙率は低下しているとはいえ、諸外国と比べるとまだ高い水準だ。

 中国高速鉄道の車内は全面禁煙であるため、中国の愛煙家にとって高速鉄道に乗るのには大変な苦労があると言えるだろう。中国メディアの百家号はこのほど、「中国高速鉄道には喫煙ルームがないのに、なぜ新幹線には喫煙ルームがあるのか」と題する記事を掲載し、この理由について説明した。

 記事は中国高速鉄道の乗務員の見解として、中国高速鉄道が全面禁煙である理由を紹介している。東海道新幹線などには一部車両に喫煙ルームがあって愛煙家にとっては便利だが、「運行側からすれば一定のリスクを抱えることになる」と主張した。火災リスクを下げるために防火のための要求水準が高くなり、通風設備を強化する必要があるのでコストがかかるとしている。そしてそのコストは運賃から徴収していると分析した。

 一方、中国高速鉄道に喫煙ルームがない理由について、「車両の電気構造が複雑で、車両の速度が速いだけではなく、中国高速鉄道は高架橋の上を走っているのがほとんどなので、火災発生時の救援が困難で大惨事になりかねない」ことが主な理由だと説明した。そして、安全確保のために車内には煙感知器を多く設置しており、こっそり喫煙も不可能になっているという。それで、「中国高速鉄道は、乗客の安全を確実に確保するため喫煙ルームを設置していないのだ」と論じた。

 日本より喫煙者の多い中国では、駅に到着するたびにホームに出て喫煙する乗客が多く、目的の駅に到着すると、一斉にあちこちで歩きたばこを始める姿を目にすることになる。こうした現状からすると、むしろ中国高速鉄道の方が喫煙ルームの必要性は高いのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)