無駄なく使える従量制で月額590円からのHISモバイル「格安ステップ」の秘密とは？ データ通信だけじゃない通話の安さがカギ
HISモバイルは28日、新料金プラン「格安ステップ」を発表しました。
データ通信量1GBで月額590円から始められる従量制プランで、最大10GB／月額1,790円となります。
格安ステップはデータ通信料金の安さに加え、通話料金でも多くのメリットがあります。
通常の通話料金はNTTドコモやau、ソフトバンクといった移動体通信事業者（MNO）の約半額となる「11円／30秒」です。
また、月額700円の「5分かけ放題」オプションを用意しており、短い通話を頻繁に行うユーザーにも訴求できる内容です。
データ通信量の追加チャージも1GBごとに275円とリーズナブルで、万が一10GBの上限に達してしまった場合にも安心して利用できます。
さらに、音声通話を必要としないユーザー向けに、
・データ通信＋SMSの「SMSデータステップ」（月額520円より）
・データ通信のみの「データステップ」（月額490円より）
これらのプランも用意されています。
データ通信も通話も非常に安価で使いやすい印象だ
格安ステップの発表に合わせ、キャンペーンも予定されています。
HISが提供している「おうちで楽しめるオンライン体験ツアー」より、人気No.1となっている「世界一周ライブツアー」へ、先着1,000名の新規契約者を無料招待します。
さらに、HIS傘下の小売電気サービス「HTBエナジー」とともに契約すると、
・電気基本料金が6ヶ月無料
・電話基本料金が1ヶ月無料
これら2つの特典を受けられるキャンペーンを、6月28日より8月31日まで行います。
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●スマートフォンユーザーの利用状況を徹底的に精査
HISモバイルが格安ステップを発表した背景には、激化するMNOおよび仮想移動体通信事業者（MVNO）の料金競争があります。
MNO各社の20GBプランは通信料金の低価格化を一気に推し進めましたが、それによってMVNO各社も料金メリットを保つため、容量単価を大きく下げた料金プランを次々と発表しました。
そのような中でHISモバイルが注目したのは、
「契約している料金プランと実際の使用量の乖離」です。
HISモバイルは、通信大手4キャリア（NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル）の新プランの契約実態を示しながら、
・契約者の多くが20GB以上の大容量プランを契約
・しかし実際のデータ通信量は1GB未満や5GB未満などに集中
・MVNO利用者に限定すると、69.8％が3GB未満の利用に収まる
このように分析しました。
そこで、低容量から使えて10GB程度の中容量まで安心して利用できる、契約料金で無駄が出ない従量制の格安ステッププランを作ったのです。
新料金プランの背景にはユーザーデータの精査があった
また、音声通話料金を下げ、5分かけ放題のオプションを用意した点にも理由があります。
NTTドコモの「ahamo」契約者へのアンケートでは、7割を超えるユーザーが5分以内通話無料に「魅力的」、「やや魅力的」と回答しています。
通話を重視しないユーザーが増えたと言われる昨今ですが、実際のアンケート結果を読み解くと、
「基本通話料を安く」
「5分かけ放題も低価格のオプションで用意」
このような格安ステップのプランは、わかりやすく、ニーズに適した訴求力のある戦略と言えそうです。
格安料金でも通話需要を取りこぼさない
●無駄なコストを抑え、効率的に回線を維持したい人にピッタリ
競合するMVNO各社の料金を調査した上で、より安く、より使いやすい従量制プランを提示してきたHISモバイルの戦略は非常にアグレッシブです。
MVNOとしてはほとんど需要が見込まれない20GBプランは、既存の「格安弐拾」プランで補う一方、競争力を失っていた小〜中容量の「ビタッ！プラン」を「格安ステップ」プランに置き換えることで、競争力の維持を図っています。
他社MVNOの料金プランを徹底的に調べ上げ、小容量の通話つきプランにターゲットを絞ってきたことが分かる
格安の従量制プランと言えば、MNOである楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」があります。
こちらは1GBまで月額0円（無料）という大きなメリットがありますが、1GBを超えると3GBまでが月額980円となり、料金的なメリットが失われます。
またRakuten UN-LIMIT VIで1GBまで無料が適用されるのは1回線（1契約）までとなっているため、2回線以上保有したい人にとって格安ステップは選択肢の1つとして大いに魅力的です。
通話料金の安さからも、通話専用端末としての利用も悪くありません。
HISモバイルでは、7月5日より一部スマートフォンを月額110円から販売するセールも開催予定です。
iPhone 7やReno 5Aなど最新の機種ではないものの、低価格でスマートフォンを購入できるため、格安ステップと併せて安価な2台目需要に最適です。
・複数の回線を契約しているのでランニングコストを下げたい
・いざという時に10GB程度は使えると嬉しいが無駄なコストは削りたい
・短い通話を頻繁に利用するので通話料金はできるだけ安いほうが良い
こういった目的に適したプランではないでしょうか。
執筆 秋吉 健
