ついに公開!

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 映画『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』初日舞台あいさつが9日、TOHOシネマズ日比谷にて行われ、田口トモロヲ、松重豊、光石研、遠藤憲一、濱田岳、柄本時生、菜々緒、高杉真宙、芳根京子、北香那、松居大悟監督が登壇。松重ら元祖バイプレメンバーたちは、「バイプレイヤーズ」映画化を夢見ていたという故・大杉漣さんに初日の報告をしていた。

 本作は、テレビ東京系連続ドラマ「バイプレイヤーズ」の劇場版。自主映画を撮影する若手バイプレイヤーたちと、配信ドラマを撮影する元祖バイプレイヤーたちが、ある騒動をきっかけに役者としてのプライドをかけたぶつかり合いに発展する姿を描く。

 新型コロナウイルス感染拡大により、公開延期となる映画があるなか、無事初日を迎えた。光石は「深夜ドラマとして放送しているときから、漣さんが『映画になればいいね』と話していたのですが、それがこうして実現しました」と感無量な表情を浮かべると、田口も「我々4人のおっさんたちのリーダーは大杉漣さんです」とアピール。

 そんな思いはメガホンをとった松居監督も強く感じているようで「映画の話があったとき、漣さんがいないなかで、映画を作っていいのだろうかと迷いがありました」と胸の内を明かす。「でも映画のなかには、漣さんがしっかり存在していると感じられました」と完成作に自信をのぞかせていた。

 この日は、濱田らも舞台あいさつを盛り上げる。濱田は“顔面凶器”と異名をとる小沢仁志のエピソードを面白おかしくトークすると、他局のドラマのパロディを次々と繰り出す「バイプレイヤーズ」の攻めの姿勢に、柄本や菜々緒らも大爆笑していた。

 終始和やかな雰囲気で行われた舞台あいさつの最後に、松重が「テレビドラマの最中に、突然漣さんがいなくなってから3年が経ちますが、まだ信じられない」と心情を吐露すると「お葬式でも、祭壇の裏からスッと出てきて驚かせてくれるような気がしてならなかった。今日もスクリーンの裏に漣さんがいて、お客さんの喜ぶ顔を見ていると思う」とコメント。

 遠藤も「30代のとき、光石さんと一緒に出た低予算の映画の公開初日、劇場にはお客さんがたった4人しかいなかった。僕らバイプレイヤーたちは、過去に傷を持ちながら育ってきたんです。漣さんもそれなりの傷を持っていたと思うので、こんなきれいな劇場で満員のお客さんで埋め尽くされた客席を見たら、びっくりすると思います」と故人を偲んでいた。(磯部正和)