東京方面から成田空港への最短ルートとなることが見込まれている国道464号「北千葉道路」の未事業化区間について、国が一部区間の調査結果をまとめました。外環道から既存区間のあいだは、すでに都市化も進んでいますが、どのような道路になるのでしょうか。

「成田への最短路」最後のピースは埋まるか

 国土交通省関東地方整備局 首都国道事務所が2021年2月26日(金)に、国道464号「北千葉道路」の未整備区間「市川・松戸」の事業化に向けた調査結果を千葉県に送付しました。

 北千葉道路は千葉県市川市から成田市に至る約43kmの幹線道路で、外環道と成田空港を最短で結ぶルートとして計画されています。そのうち、北総線および成田スカイアクセス線に沿う鎌ケ谷市から成田市にかけての29.5kmが開通済み、そこから成田空港付近までの3.7km区間も建設が進められています。


北総線に沿う北千葉道路の既存区間(画像:photolibrary)。

 しかし、東京側の市川市から既存区間(鎌ケ谷市)までのあいだは、すでに都市化していることもあり事業化されていません。

 今回、県に送られた調査結果は未事業化区間の東京側、外環道の北千葉JCT(仮称、市川市堀之内)から、市川市大町までの区間で、自動車専用部1.9km、一般部3.5kmを対象としたものです。

外環道につなぐトンネルは「高度な技術力」必要

 うち専用部は、国分川の段丘や住宅地などを貫通することから、約1.1kmのトンネル区間が設けられる見込みです(一般部は地上に4車線道路を構築)。

 このトンネルは最大土被り18m以上、幅26m×高さ14mの大規模断面となるうえ、国分川の下をくぐるため、地下水位が高い箇所では地下水流動阻害対策工が必要、かつ近接する住宅地の環境への配慮が求められることから「高度な技術力を活用することにより事業実施が可能となる」とされています。

 なお、整備に求められる機能として、成田空港の輸送安定性の向上、国道464号など周辺道路の混雑緩和、交通事故削減、沿線の高速道路アクセス向上による地域産業の支援などが挙げられています。


北千葉道路、未事業化区間の概要。「市川・松戸」について調査結果がまとまった(画像:首都国道事務所)。

 北千葉道路の未事業化区間をめぐっては、2019年5月に千葉県や国土交通省、関係自治体などでつくる「北千葉道路連絡調整会議」が、道路構造などの概略計画について次のように合意しています

・自動車専用の「専用部」と、並行する「一般部」を設け、専用部は有料とする。
・専用部は早期整備を目指して高架構造を基本とする。ただし外環道接続部から約1.6kmの区間、および北総線交差部の前後(松飛台地区)約1.7kmは地下構造を基本とする。
・専用部には主要道路との交差地点に5か所のICを設ける。
・一般部は地上を基本とし、主要道路と平面交差する。

 ちなみに、外環道の松戸IC〜市川北IC間には、北千葉道路と接続する北千葉JCT(仮称)のランプが一部用意されており、走行中に見ることもできます。