“リモート飲み会”を1年続けて判明したメリット・デメリット

写真拡大

 コロナ禍以降、あらゆるものがリモート化。出社しなければできなかった業務の大半がオンラインツールを使ったものに代わり、仕事終わりの「ちょっと一杯」もZoomなどを活用した「リモート飲み会」に変化した。当初は珍しがられていたものの、今では当たり前になりつつある。

「パソコンやスマホの画面を見ながら酒を飲むなんて……」と未だ抵抗感を拭えないという声もあるかもしれないが、リモート飲み会の実践経験がある人たちの率直な感想を聞くと、意外なメリット・デメリットが浮かび上がってきた。

◆リモート飲み会なら部下におごる必要も上司におごられる必要もない

「自宅で仕事を終えるとそのままビデオチャットをつけたまま、缶ビールをプシュッと開けて同僚や部下、上司と乾杯です。出社日も、早く家に帰って飲みたいということで、終業前にもかかわらず一目散に帰宅。さっきまで会っていた連中とオンライン飲み会です。不思議な感覚ですが、最高に楽しい」

 東京都内の保険会社勤務・斉藤敏晴さん(仮名・40代)は、月の半分以上が在宅勤務だが、ほぼ毎日「リモート飲み会」を行っているという。コロナ禍以前は多くても週に3度ほどだった飲みの席が、リモート飲み会になったことで増えたのには理由がある。

「酒は好きなんですが、部下と飲みに行くと絶対におごらなきゃいけないじゃないですか。だから週3が限界。でもリモート飲み会だったら、部下におごる必要も、上司におごられる必要もない」(斉藤さん)

◆「“ワンチャン”狙いの変な男が消えた」

「おごられたい」と思う部下も少なくなさそうだが、部下の立場でも、リモート飲み会のメリットはたくさんある、そう話すのは千葉県在住の中堅出版社勤務・野村里絵さん(仮名・20代)。

「おごってもらうのは大好きだったんですけど、リモート飲み会をするようになってからは、自分の好きな食べ物を食べながら、好きなお酒を自分のペースで飲めることがこんなにいいものかって思いました。おごられると、どうしても好きでもない料理を食べなきゃいけないし、お酒の種類もペースも上司に合わせなきゃいけないじゃないですか?」(野村さん、以下同)

 また、女性ならではの「飲み会の悩み」も克服できたという。

「男性から飲みに誘われることもあったんですけど、リアル飲み会だとわざと終電を逃そうとしてくるような人もいて。明らかに“その後”を狙っている感じがして気持ち悪かったんです。リモート飲み会なら終電も気にしなくていいし、“ワンチャン”狙いの変な男が消えました(笑)。それでもリモート飲み会に誘ってくれる人は、本当に面白い人ばかり」

◆終電がないことで飲み会の終わりも見えない

 緊急事態宣言の影響で飲食店事業者の困窮が報じられるなか、外で飲めないということで「新たな飲み方」を実践し、楽しんでいる人たち。ただし、やはり何事にも「向き・不向き」はあるようで……。

「私の場合、終電がある方がよかった。時間や距離に束縛されないなんてウソ。リモート飲み会で上司にめちゃくちゃ束縛されます。むしろウザい」

 リモート飲み会を全否定するのは、前出の野村さんの同僚・村田里穂子さん(仮名・30代)。酒飲みの上司を持ち、コロナ禍以前から毎週末付き合わされていたのだが、リモート飲み会でやっと顔をあわせなくて済むと胸を撫で下ろしていた矢先……。「在宅での仕事が終わり、上司が私たちに声をかけ、リモート飲み会が始まったんですが……夜の7時から始まって、終わったのは夜中の3時。終電ないだろ、と言いながら一人延々飲んで、最後はブツブツ念仏みたいなことを唱えながら寝落ちしちゃって。チャットを切るに切れず、参加者たちは個別にスマホで連絡をとりながら、上司のアホヅラを見て呆れてました」(村田さん)