マルセイユで活躍を続ける酒井 photo/Getty Images

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今では多くの日本人選手が欧州でプレイしているが、2010年以降目立つのはサイドバック組の活躍だ。

シャルケなどでプレイし、チャンピオンズリーグ・ベスト4も経験した内田篤人、インテルで強烈なライバルたちとのポジション争いに何度も勝利してきた現マルセイユDF長友佑都、同じくマルセイユで信頼を掴んでいる酒井宏樹。この3人は欧州でも安定したパフォーマンスを継続してきた。2010年代の日本サッカー界は過去に例を見ないほど実力あるサイドバックが揃っていたのだ。

では、No.1サイドバックは誰になるだろうか。実績ではチャンピオンズリーグ・ベスト4入りを経験した内田が一歩先をいく。足下の技術も安定しており、攻撃にスイッチを入れることが出来る器用なサイドバックだった。

長友は内田以上に縦へのスピード感があり、得点に絡む機会も多かった。内田がシャルケで153試合プレイして2得点だったのに対し、長友はインテル時代に210試合で11得点という成績を残している。サイドバックながら得点数が二桁に乗っているのは興味深い。

代表戦でもその攻撃性は存分に発揮されており、長友は代表通算123試合で26本のアシストを記録している。内田の成績が74試合で8アシストとなっていることを考えると、長友の攻撃性は見事だ。アジアカップ2011決勝のオーストラリア代表戦での決勝アシストなど、記憶に残っているアシストも多い。

しかし守備力ならば、酒井は2人の先輩を超えたと言っていいのではないか。酒井の特長は、183cmのサイズだ。日本人サイドバックとしては珍しい大型プレイヤーで、緊急時にはセンターバックをこなすことも出来る。このサイズは1対1の対応にも活かされており、今季のリーグ・アンでは見事なスタッツを残している。

例えばタックル成功数では、リーグ・アンDF部門第2位となる51回を記録。インターセプト数もDF部門第6位となる39回、そして空中戦勝利数もサイドバック部門では第4位となる25回を記録している。地上、空中の両方で好成績を残しているのは見事で、守備における1対1の対応では全盛期の内田や長友以上に安定感がある。

やや攻撃面では地味な印象があるものの、それでも今季はリーグ戦にてキーパス(シュートに直結するパス)を13本記録。これはリーグ・アンのサイドバック部門では第8位だ。攻守両面で安定しており、大型サイドバックとして計算しやすい選手と言える。

2016年の夏にマルセイユへ移籍したところから酒井の評価は大きく上がった。日本代表でも不動の右サイドバックであり、1対1の対応は安心して見ていられる。チャンピオンズリーグでの実績がないのは少々寂しいが、それでも内田や長友に負けない実力者と言っていいはず。日本人歴代No.1サイドバック候補に挙げられる選手だ。

2022カタールワールドカップでも酒井の立場は安泰だろう。地上戦と空中戦の両方で強さを見せる日本人サイドバックは今後もそう簡単には出てこないはずだ。(データは『WhoScored.com』より)