渡辺謙 「イーストウッドは父」
俳優の渡辺謙が10日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で会見し、13日から上映開始される映画『明日の記憶』の撮影で感じたことに触れ「日本では病気を人生のマイナスととらえる傾向が強く、アルツハイマー(認知症)などへの社会の理解度が低く、治療やサポートが受けにくいことを知った。映画を見て、自分の身近にある偏見や無理解を知って欲しい」と語った。
渡辺は、自身が白血病と闘った経験を振り返りながら「不治の病とか、生きる可能性がないと軽々しく話してはいけない。病気になると終わりではなく、生きていることの一つの区切りとして何かがある。病気になったとしても、それを背負って“生きている”。病気ということで、ネガティブに線を引くべきでない」とも話した。
俳優になったきっかけを問われると、「音楽をやっていたので、パフォーマンスには興味があったが、もともと俳優になることに高いモチベーションがあったわけではない。病気をして自らを見つめ直す時間があったおかげで、今は社会とつながるために、俳優という仕事を与えられたと感じている」と答えた。ハリウッド俳優としての“稼ぎ”に関する質問には、「すでにビジネスへの興味は失っている。いただいた話を受けて、何とか生活できればいい」と外国人記者らの笑いを誘った。
年末公開予定の映画『硫黄島からの手紙』撮影中のクリント・イーストウッド監督との関係については「クリント・イーストウッドが自分の父であるような感じがした。大きな壁であり、包容力があり、すべてを導いてくれる信頼できる人だった」と語った。 俳優が力を発揮できる状況を監督がよく理解しているので、演技がしやすかったという。【了】
渡辺は、自身が白血病と闘った経験を振り返りながら「不治の病とか、生きる可能性がないと軽々しく話してはいけない。病気になると終わりではなく、生きていることの一つの区切りとして何かがある。病気になったとしても、それを背負って“生きている”。病気ということで、ネガティブに線を引くべきでない」とも話した。
年末公開予定の映画『硫黄島からの手紙』撮影中のクリント・イーストウッド監督との関係については「クリント・イーストウッドが自分の父であるような感じがした。大きな壁であり、包容力があり、すべてを導いてくれる信頼できる人だった」と語った。 俳優が力を発揮できる状況を監督がよく理解しているので、演技がしやすかったという。【了】