車両用の信号機に、ゼブラ柄の板が取り付けられているものがあります。もともと戦後の電力事情から生み出された工夫で、いまや数は激減している一方、少ないながら最新のLED信号機に新しく取り付けられるケースもあります。

薄型LED信号機に新設

 道路上の車両用信号機に、灯器を取り囲む形でゼブラ柄の板が取り付けられていることがあります。「背面板」と呼ばれるもので、数を減らす一方、新設されるケースもあります。

 たとえば埼玉県秩父市中心部の国道140号沿いで、2020年になって1か所、新設されました。薄型のLED信号機に背面板が取り付けられているもので、全国的に見てもレアな存在といえるでしょう。というのも、ある信号機メーカーによると、背面板の納入実績はいまや年間1、2枚程度に留まるとのこと。


秩父市内に設置された薄型LED信号機の背面板(伊藤真悟撮影)。

 背面板はもともと、電力事情が不安定だった戦後復興期に、信号の光の弱まりを補う目的で生まれました。しかし、板が風の影響を受けて信号機が揺れたり、そのゼブラ柄が景観にそぐわなかったりして、維持管理の観点からも取り外されることがあります。

 そうしたなかで、新設されるケースには、何か特別な理由があるのでしょうか。

 秩父警察署によると、前出のLED信号機のゼブラ板は、信号機を電球式のものからLED式のものに更新する際、同時に新設したといいます。

 理由は「前後の信号機との間隔が近いため、見間違いを防ぐ目的」とのこと。前後の信号ともLEDの灯火であることから、当該の信号機に背面板を取り付けることで、存在を目立たせたというわけです。

 このほか、強い西日が差す箇所で、信号の色が見えづらくなるのを防ぐために背面板が取り付けられることもあります。電球式よりも明るいLED信号機が徐々に増えていますが、それでも、場所によっては背面板が必要になるようです。