9月30日、自民党本部に呼び出された杉田議員(写真:時事通信)

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《嘘をつくのは性別に限らないことなのに、ご指摘の発言で女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます》

10月1日に自身のブログでこう謝罪した、自民党杉田水脈衆院議員(53)。9月25日、自民党の内閣第一部会などの合同会議で性暴力被害者の相談事業を巡り「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言してから約1週間後のことだった。

「会議後、彼女の発言がメディアで報じられると、当初、記者団に『そんなことは言っていない』と、自身の発言を否定し続けました。9月30日に、下村政調会長が彼女を党本部に呼び出し事情聴取。『真意が伝わる説明をするよう』注意を受け、翌日に自分こそが“嘘をついていた”ことをブログで認めたのです」(全国紙記者)

しかし、杉田議員への厳しい批判と怒りの声が殺到している。

「性暴力に抗議する『フラワーデモ』の主催者は発言の撤回と謝罪、議員辞職を求めるウェブ署名を募り、10月1日時点で賛同者は12万人を突破。特に女性からの反発が大きいです」(前出・全国紙記者)

杉田議員といえば、これまでもお騒がせな言動を繰り返してきた。

「’18年7月、月刊誌『新潮45』に性的少数者のカップルは『生産性がない』と寄稿し、同誌は休刊を余儀なくされました。今年1月にも、選択的夫婦別姓導入に反対し『だったら結婚しなくていい』とやじを飛ばしたとされています」(前出・全国紙記者)

杉田議員の“放言連発”について、政治評論家の有馬晴海さんはこう語る。

「彼女は西宮市役所に18年公務員として勤務していましたが、果たしてその当時から、今回のような女性に対して厳しい姿勢があったかは不明です。その後、維新の会から政界に出て、当選後に1度落選。落選の間、日本会議に所属して櫻井よしこ氏、石原慎太郎氏などタカ派著名人と会合を持ち、夫婦別姓反対などといった考え方に共感を持つようになったのでしょう。

安倍前首相はお嬢さん育ちの“気ままな人”がお気に入りだったようで中国ブロックの比例単独候補最上位にして当選させました。失言を繰り返しても、自民党内でこういう発言をする人は『女性なのに本当にそう思うのか』と重宝されてしまう。彼女の党内評価は決して悪くないです。進歩派の女性からは『困ったものだ』と嫌悪されていますけどね」 彼女の定番の口癖は「〇〇は嘘をつく」だと、永田町関係者は言う。

「杉田議員の講演では必ずといっていいほど出席者に質問をします。それは彼女がデンマークに視察に行った際に見たという『中学2年の公民教科書に最初に出てくる項目は何か?』という問題です。『わからないですよね? 答えは《メディアは嘘をつく》なんです』と満面の笑みで話し、『いかに巧妙な手段で印象操作するか、その手法が紹介されている』と力説。

『〇〇は嘘をつく』というのは、最近のお得意のフレーズなんでしょう。米国のトランプ大統領は自らの否定的な報道が出ると『フェイクニュースだ!』と断じますが、ひょっとしたら彼女は“トランプ流”を取り入れているのかも……」

今回、自ら「嘘をついている」と認めたのが取材陣の前ではなく、自分のブログなのも「メディアは嘘をつく」と主張しているからなのだろうか――。

「女性自身」2020年10月20日号 掲載