ナメちゃダメ! 車のガス欠 燃料警告灯の点灯後何キロ走れる? ガス欠時の正しい対処法は

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燃料警告灯とはどんなもの? 点灯後はどのくらい走行できるのか

 クルマには燃料の残量を知るための表示として、残っている燃料の目安の量を示す燃料計と「燃料がなくなりそうな状態を警告」するための燃料警告灯が付いています。もし燃料警告灯が点灯すると、その後はどれくらい走ることができるのでしょうか。

燃料警告灯が点灯! あと何キロ走れる?(写真はイメージ)

 燃料計は、昔ながらのアナログ表示のものと、近年増加傾向にあるデジタル表示の2種類があります。

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 仕組みは、燃料タンクのなかに入っているフロート(浮子)を用いて残燃料を計測するというものです。

 フロートの上下で燃料計の残量が表示され、燃料がわずかになり設定された数値以下の残量になると燃料警告灯が点灯し、ドライバーに注意を促します。

 メーター内の警告灯の表示には、赤色、黄色(オレンジ色)、緑色、青色 の4種類がありますが、燃料警告灯はこのうちの黄色で点灯します。

 黄色・オレンジは「即運転をストップしなければならないほどではないが速やかな対応が求められる状態」、走行中になにもしなくても赤色の警告灯が点灯した場合は「直ちに運転をやめ、安全な場所に停めて確認をしなければならない状態」を示す警告表示です。

 ではこの燃料警告灯が点灯したとき、燃料の残量と走行可能距離はいったいどのくらいなのでしょうか。

 クルマの燃料残量を示す警告灯が何リットルで点灯するかは車種によって異なり、一般的におよそ5リッターから10リッター程度といわれていますが、実際にそのクルマが何リッターで点灯するのかは、各クルマの取扱説明書で確認することができます。

 例えば、ホンダ「N-BOX」では約4リッター以下(2WD車)、トヨタ「プリウス」では約6.4リッター以下、そしてトヨタ「ライズ」では約5.5リッター以下となっています。残燃料が4リッターから10リッター以下で点灯する車種がほとんどです。

 また、燃料警告灯が点灯したらあと何kmくらいなら走行できるかについては、一般的に50kmから100km程度は走行できるといわれていますが、これについても車種によって異なります。

 走行可能な距離は、そのクルマの燃料警告灯が点灯するときの燃料の残量値と、燃費性能をかけあわせることで、おおよその距離を算出することができます。

 例えば、残り5リッターで燃料警告灯が点灯し、燃費が15km/Lの場合、そのクルマはおよそ75km程度は走行できるという計算になります。

 ただし、実際には道路状況や走行速度、エアコンの使用状況などによって燃料の消費ペースが変わるため、必ずその距離が走行可能というわけではなく、あくまでも目安なので注意が必要です。

 走行中に突然、燃料警告灯が点灯しても、基本的には直ちに給油をおこなう為にガソリンスタンドを目指すための走行はできるようになっています。

 焦らずに対処するためにも、自分のクルマは残りの燃料がどのくらいになると燃料警告灯が点灯し、あとどのくらい走行できるかの距離の目安は知っておくといいでしょう。

燃料警告灯が点灯したらどうする? 万が一ガス欠を起こしたときの対処は?

 燃料警告灯が点灯したまま走行を続け、燃料が少なくなってくると、だんだんエンジンの稼働が不安定になり、最終的にはエンジンが停止しクルマが動かない、いわゆる「ガス欠」となってしまいます。

 万が一ガス欠を起こすと、その後の対処が大変なだけでなく、エンジンの故障の原因や、部品の劣化が進むことにもなるので、そうなる前に速やかに給油をおこないましょう。

もしも走行中にガス欠になってしまったら?(写真はイメージ)

 一般道であれば、それほど遠くまで行かなくてもガソリンスタンドが見つかるはずなので、直ちに最寄りのガソリンスタンドで給油をおこなってください。

 高速道路の場合、基本的に約50kmの間隔を目安に設置されているサービスエリアにガソリンスタンドがあるので、次のサービスエリアで直ちに給油をおこないます。

 ただし、サービスエリアであってもガソリンスタンドの設置がないところがあったり、ガソリンスタンドの設置間隔が100km以上あいている区間も存在しており、営業時間や設備点検などでタイミングによっては利用できない可能性もゼロではないので、「50km走れば必ず給油できる」とは考えないほうがいいでしょう。

 標識やカーナビを頼りに次のガソリンスタンドまでの距離を確認し、同乗者がいる場合には、最寄りのガソリンスタンドの情報を調べてもらい電話で確認をとってもらいます。

 もし、その先に給油できる施設がない場合は、最寄りのインターチェンジで一般道へ降り、近隣のガソリンスタンドで給油をおこないます。

 また、先のサービスエリアのガソリンスタンド情報が十分に得られず、確実に給油をおこなえるか定かではないときも、無理に次のサービスエリアまで走行するのではなく、最寄りのインターチェンジで一般道へ降り、近くのガソリンスタンドで給油するのが安心でしょう。

 それでも、やむを得ずガス欠を起こしてしまった場合は、直ちにハザードランプを点灯させて周囲にクルマの異常を知らせ、惰性で走っているうちにクルマを安全な場所に停めます。

 高速道路であれば、近くに非常駐車帯があれば非常駐車帯に、なければなるべく広い路肩に止めるといいでしょう。

 ハザードランプを点灯させ続けたまま、ハンドルを左(壁の方向)に切り、発炎筒と三角停止板を使用して周囲にアピールします。

 そして道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡するか、高速道路脇に設置されている非常電話で通報します。ガードレールの外側に移動し、自身の安全を確保するのも忘れないようにしましょう。

 復旧方法としては、JAFや保険会社のロードサービスを利用して給油をしてもらう方法があります。自分の場合はどのサービスを利用するのがいいのか知っておくようにしましょう。

 ほかにも、一般道で歩ける距離にガソリンスタンドがあれば、助けを求めにいって救援に来てもらうことで、その場をしのげることもあります。

 高速道路の場合は、ロードサービスによる救助しかありません。

 ちなみに高速道路上でガス欠を起こすと、道路交通法違反(高速自動車国道等運転者遵守事項違反)となり、減点・反則金の対象となるだけでなく、重大な事故の原因になることもあるので、とくに高速道路でのガス欠は起こさないよう、細心の注意を払いたいところです。

 燃料警告灯はガス欠を防ぐためにあらかじめ警告してくれる、重要な装置です。「点灯したけれどまだ大丈夫」と過信せず、すぐにでも給油場所を探して燃料を確保し、自分だけでなく、周りにも迷惑をかけない安全な交通を確保した運転を心がけましょう。