後付けできないものは不可欠な最重要装備となる

 新車を購入する際、オプション装備やアクセサリーを同時購入することがある。合わせて買って、たとえばローンを組めば、支払いが楽になるというケースもあるだろう。が、装備やアクセサリーのなかには、社外品のほうが高性能で便利で、安く手に入る物もあるので、注意が必要だ。

 絶対に新車時に付けておかなくてはならないのは、標準装備ではないケースの衝突軽減ブレーキ、ブラインドスポットモニターなどを含む先進運転支援機能。こればっかりは、あとから付け足したい……というわけにはいかない。そもそも衝突軽減ブレーキは2021年から新車に装着が義務づけられるぐらいに不可欠な最重要装備と考えたい(今ではほとんどの新車に標準装備されるが)。

 ナビなどは車両とのデータ共有など、純正品のほうが収まりもよく、多機能を使えるケースが多く、ステアリングスイッチとの連動でも優位性があることが多い。

 エクステリアパーツにしても、たとえば、ダイハツ・タフトに必要不可欠だとも思える前後ガーニッシュは付けるべきだが!?  エアロパーツのなかには、アフターマーケットのもののほうが、よりデザイン性に優れていたりする。新車登場時には発売が間に合わず、ないかもしれないが、人気車の場合はあちこちのパーツメーカーがこぞってリリースするから、楽しみに待つ手もありそうだ。

 今や装着比率が劇的に増えているドライブレコーダーはちょっと待て、である。純正アクセサリーとしては、まだまだフロントのみの用意も少なくなく、リヤ用があっても、純正アクセサリーとなると、販売店の利益を重視するためか(ほぼどんなものでも)、価格は割高。トヨタ新型ハリアーのようなデジタルインナーミラーに前後のカメラ機能が付いているようなレアケースを除いて、別途、カー用品店や通販で購入したほうが、安く済み、なおかつより最新の機能が手に入る可能性が高いのだ。

 たとえば、某車の純正アクセサリーにあるドライブレコーダー機能付き360度車載カメラは、自動車メーカーの純正アクセサリー価格4万3780円だが、同じものがアマゾンでは3万6500円ほど(送料込み)。こうした場合、自身で取り付けられないなら、アマゾン価格+取り付け工賃と、ディーラーの価格(取り付け工賃込みの値引き交渉もアリだろう)を比較するとよい。もしかすると、新車時に付けたほうが安い可能性もあるし、納車時点でドライブレコーダーを使える安心感もあったりする。言うまでもないが、ドライブレコーダーは、あおり運転対策として、最低でも前後カメラ装着が基本である。

オーディオやペット用品、ボディコーティングは注意が必要!

 オーディオも、今ではディスプレーオーディオ+スマホの組み合わせが増えてきているが、音楽、オーディオにこだわる人が、オプションの高額な純正オーディオを注文するぐらいなら、カーオーディオ専門店でデッドニングを含め、プレミアムオーディオを付けたほうが、よりよい、”好みに合ったサウンド”を実現しやすいのも本当だ。

 純正アクセサリーのなかには汎用品として、様々なアクセサリーが揃っているが、なかでも、ペット用品については熟慮を要する。ホンダ・アクセスがホンダ純正アクセサリーとして用意しているHonda Dogシリーズなどは、愛犬家のスタッフが企画し、愛犬家の意見を取り入れたアイテムとして販売されているから、ほかにはなかなかない機能、デザイン、使い勝手の良さ、清掃性を備えているからお薦めだが、自動車メーカーの純正アクセサリーでも「これ、本当にペット(犬)の気持ちをわかって作っているの?」と疑問が湧くようなアイテムもあったりする。

 一例として、後席にハンモック状に取り付けるペットシートマットがあるが、前方にメッシュ窓がないものは、エアコンの風が届きにくく、そもそも1年中、毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できず、熱中症になりやすい暑がりの犬にとっては、ベストとは言えない。ボク自身、今はホンダ車に乗っていないが、以前、オデッセイアブソルートに乗っていたころに手に入れた、昨日に満足できるHonda Dogシリーズのアイテムを使い続けているぐらいである。

 同じく汎用品のアクセサリーにある洗車用品、タイヤチェーン、ルーフボックスなどは、純正アクセサリーになるとどう見ても高い。洗車用品はカー用品店に行けば、多くのアイテムのなかから最新のアイテムが選べ、なおかつ圧倒的に安いはずだ。これは、サイズさえ合えばどんなタイヤにも装着できるタイヤチェーンも同じ。信頼できるブランドのものを選べば、失敗なく、賢い買い物ができるというわけだ。

 今、クロスオーバーモデルを含め、アウトドア、車中泊ブーム真っ盛り。自動車メーカーも純正アクセサリーとして、さまざまなアウトドア、車中泊アイテムを用意しているが、こちらは「モノによっては純正品がいい」ということになる。とくにサイズが重要になるベッドマットなどは、純正アクセサリーだと後席を格納した時のフロアにぴたりと収まるサイズになっているから使いやすい。

 ホームセンターにまったく同サイズのものがあれば別だが、サイズが少しでも合わないと、実に使いにくくなる。ただし、中には汎用品的なものもあるから、その見極め、社外品との価格差のチェックがポイントだろう。

 装備やアクセサリーとはちょっと違うが、新車購入時にセールスからすすめられやすいのが、ボディコーティング。たしかに、その後の手入れを簡便化するのに施工しておくのに越したことはないが、ボクのまわりの友人の話では、なかなか満足のいく仕上がりにならないこともあるという(輸入車の新車で仕上がりが悪く、3回やり直させたケースもある)。

 やる、やらないは人それぞれの考え方だが、個人的には信頼できる、評判のいいカーコーティング屋さん、熟練職人にお願いしたほうがベターだと思っている。実際、つい先日、定評あるコーティング屋さんにお願いしたのだが、仕上がりは文句なし、どころか期待以上だった。