ウィガンのロビンソン photo/Getty Images

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目前にまで迫っていた名門クラブ行きの夢が露と消えた。2部リーグでプレイするまだ22歳の若者にとって、これは相当にショッキングなことだったはずだ。今冬ACミランに加入するはずだった若手DFが移籍破談の裏話を明かしている。

そのヤングスターとはウィガンに所属するアメリカ代表DFアントニー・ロビンソンだ。今年1月にミランが最終ラインを補強するために獲得するはずだった同選手。ところが、クラブ間合意がなされた後に行われたメディカルチェックにてロビンソンの心臓に問題があることが発覚し、この移籍は見送られることとなってしまった。

2部リーグでプレイするロビンソンにとってはまたとないステップアップのチャンスだっただけに、本人もこれは相当残念に思っていることだろう。まさに天国から地獄。そんな自身にとって“最悪の時間”となってしまったメディカルチェック実施日を、ロビンソンがポッドキャスト『Can I Get A Picture』のインタビューで振り返っている。

「本当にクレイジーな経験だった。僕はメディカルチェック当日の朝6時にマンチェスターからイタリアに向かったんだ。空港に到着すると、僕の写真を撮影したいテレビクルーやジャーナリストに迎えられたよ。そこから病院に移動してテストを受けた。全てが順調に進んでいたね。ところが、心拍数をチェックしながらエアロバイクに乗る“ストレステスト”をしている最中に、ドクターが何か話している様子が見て取れた。イタリア語だったから、何を言っているかはわからなかったけどね」

「その後、彼らは僕に『過去に心臓に問題を抱えたことはあるか』と訊いてきたんだ。そこから別の病院に移動して再度検査を受けた。4〜5時間くらいかかったかな。そして最後にミランのオフィスを訪ねたんだ。そこで契約書にサインするものだと思っていたよ。だけど、彼らは『心臓に問題が見つかったから君を獲得することはできない』と告げてきた。本当に耐えがたい痛みだったよ。涙を堪えることができなかったね。古傷の膝が理由ならまだ理解できただろうけど、この上なく困惑したよ」

新天地への期待に胸を膨らませながらイタリアへ赴いたものの、ロビンソンはまさかの理由で夢を断たれてしまったと胸の内を明かしている。全く予想できなかった展開だけに、当時の彼はひどく動揺したようだ。

ウィガンに帰ってから心臓の手術を受けたため、今ではその問題も解決したというロビンソン。今冬のことは残念だったが、いつまでも過去のことを引きずってもいられない。再び名門クラブの目に留まるため、彼が今後ウィガンで大活躍を披露することに期待したい。

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