大企業しか考えていない(手前左から、安倍首相と西村経済再生相)/(C)日刊ゲンダイ

写真拡大 (全2枚)

 新型コロナウイルス新規感染者の増加を無視して、政府は経済活動の再開にシャカリキだが、政治の失策による企業倒産はこれから一気に本格化しそうだ。

“隠れ倒産”が見えにくい「4つの理由」7月から急増と弁護士

 なにしろ救済策が届くのが遅い。事業継続のための「持続化給付金」が一向に振り込まれないと告発するのは、受験アドバイザーとして知られ、塾の経営なども手掛ける精神科医の和田秀樹氏だ。こう怒りの声を上げる。

■一カ月半も放置

「持続化給付金を5月中旬に申請したのですが、5月29日に『書類に不備がある』と連絡があり、それを訂正した後は音沙汰なしで、1カ月半も放置されています。約2週間で届くという触れ込みだったのに、こんなに待たされたら、本来は持続可能な事業も持続できなくなる。そもそも、政府がなぜ電通に持続化給付金の業務を委託したのか疑問です。審査や給付に慣れた生命保険会社などの金融機関に任せていたら、もっと迅速に届けられたのではないか。本当に困っている中小事業主より、電通に税金を落とすことを優先したとしか思えません」

 2週間後の給付を当て込んでいたのに振り込まれず、5月末、6月末の支払いができずに廃業を選ぶ企業は続出している。時間切れ倒産である。東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏が言う。

「経済活動を全面再開したことで、かえって倒産が増えるかもしれません。『新しい生活様式』で“3密”を避ける対策を取ると、飲食店などは目いっぱいに客を入れても売り上げが減少する。値段を倍にできればいいですが、そうはいかないので、経済活動再開で多くの企業が現実の厳しさを突き付けられています。持続化給付金など政府の自粛期間中は判断を先送りしていたものの、いざ営業を再開しても以前とは勝手が違い、政府の支援も届かなくて諦めざるを得なくなるのです。持続化給付金などの支援で事業を続けられる企業もあるでしょうが、それも間に合わなければ、倒産する前に廃業を決断する中小企業は多いでしょう」

倒産も1万件を超える可能性

 昨年、廃業した企業は約4万3000件だが、今年は5万件を超える可能性があるという。倒産件数も激増しそうだ。

「5月の倒産件数は314件と低水準でしたが、これは裁判所がコロナで業務を縮小していた影響が大きい。6月から各地の地方裁判所は停滞した案件の処理を進めていて、倒産件数の揺り戻しが起き始めている。上場企業を含めた倒産件数は今年、年間1万件を超える可能性があります」(友田信男氏)

 政策の不備で追い込まれる国民が多数いるのに、さっさと国会を閉じて知らんぷりだから、この政府は本当に度し難い。