『海辺の映画館−キネマの玉手箱』劇場パンフレット表紙

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 公開が延期されていた、大林宣彦監督の映画『海辺の映画館−キネマの玉手箱』が7月31日より公開されることが4日、明らかになった。

 『時をかける少女』『異人たちとの夏』など多くの名作で知られ、近年は『花筐/HANAGATAMI』などの反戦メッセージの強い作品を手掛け、今年4月10日に82歳で亡くなった大林監督。約20年ぶりに故郷の広島県・尾道市でメガホンをとった新作『海辺の映画館−キネマの玉手箱』は、亡くなった4月10日に封切られる予定だったが新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開延期となっていた。

 本作は、閉館を迎える尾道の映画館の最終日に「日本の戦争映画大特集」オールナイト興行に集った若者3人(厚木拓郎・細山田隆人・細田善彦)が、スクリーンの世界にタイムリープするファンタジー。3人が戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島へといざなわれ、移動劇団「桜隊」を救うべく奔走するさまが、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルなどさまざまな表現で描かれる。ヒロインに新人の吉田玲が抜擢されたほか、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子らが出演。

 劇場パンフレットには大林監督が直筆で寄せたメッセージが遺されており、本作に出演した俳優陣から大林監督へのラブレター45篇や、大林作品のヒロインを演じた富田靖子と石田ひかりの対談、大林監督の撮影ノート、映画評論家・佐藤忠男による寄稿や、大林番記者のコメント寄稿などが収録されている。

映画『海辺の映画館−キネマの玉手箱』は7月31日よりTOHOシネマズシャンテ他全国公開