コロナうつを防ぐ。ネガティブ情報から意識を切り替えるコツ
連日、新型コロナウイルスのニュースや話題でもちきりです。気になるのは当然のことですが、あまりにも情報が多いため、「情報疲れ」になっている方も多いのではないでしょうか。「新型コロナうつ」という言葉も出てきています。
「過敏になってしまって、メンタル面に支障をきたさないようにしましょう」と話すのは、うつ専門メンタルコーチの川本義巳さん。
ここでは、ネガティブな情報に過集中してしまわないための、日々の過ごし方のコツを教わりました。
多すぎる情報にまどわされないためのコツ(※写真はイメージです。以下同)
人は心理的に、「なにかひとつのことにロックオンすると、ほかのことが削除される」という特性を持っています。
今回のように「新型コロナウイルス」というキーワードにロックオンしてしまうと、それ以外のことが目に入りにくくなります。そのため、ロックオンされたキーワードについて、ずっと監視し続けてしまうということが起こります。
たとえば、Googleの検索をイメージしてもらうとわかると思います。
なにかを検索をする場合、そのキーワードを入れて検索ボタンを押しますよね。そうすると、そのキーワードに合致した情報のみが羅列されて出てきます。
言い換えれば「それ以外の情報が見られないフィルター」をかけて世界を見ているのと同じ状態です。
今は多くの人が、「新型コロナウイルス」というキーワードにロックオンしているようなもの。
そうなるとこの世界での話題は、発症のことや、マスクのことに終始してしまいます。
●「フィルター越しに見る世界」に気をつけよう
フィルター越しに見る世界は、事実であって事実ではありません。なぜ事実でないのか? というと、世界はもっと広くていろんなことが起こっているからです。
個人の生活にとっても例外ではありません。日々うまくいっていること、いかないこと、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと…いろんなことがたくさんあります。
でも私たちは、フィルター越しの世界をつくってしまうと、そういうものをすべて削除してしまいます。そうなると、せっかくいいことがあっても、それを感じられなくなってしまう。
新型コロナウイルスに限らず、ネガティブなキーワードのフィルターを持ったままだと、ネガティブな世界の中での体験しか得られなくなってしまいます。
それは、メンタル的にいい影響を与えているとは言いづらくなります。
現代は情報過多の時代です。昔のように自分から新聞を読む、雑誌を読む、テレビを見る、ラジオを聴くということをしなくても、スマホやパソコンを開くだけで、洪水のように情報が溢れてきます。
もちろんなかには不要な情報もあるわけですが、いったん目に留まってそれにロックオンすると、瞬間的にフィルターができ上がります。つまり、自分から選んでフィルターをつくっているというよりは、反応的なものです。
今は否が応でも「新型コロナウイルス」というキーワードが目に入りますから、フィルター化しやすい面があります。
●あえて「情報を入れない」対策を
では、どうすればいいのか? 専門家がすでに話されていますが、「情報を入れない」ということがいちばん効果的。つまり、物理的に見ないようにするということです。
成功者と呼ばれる人たちの家にはテレビがないという話を聞いたことがあります。それは「ネガティブな話題が多いから」「必要でない情報が多いから」ということだそう。あえて、そういったことを意識する必要も出てきていると思います。
かといって、まったく入れないのはかえって不安という面も。そこで私がオススメしているのは、
(1) 自分の周囲はどうなっているのか? 目視できる情報を最優先する
(2) できれば情報源は信頼できるものにしぼる
(3) 自分の生活のなかで、問題のない部分にもちゃんと目を向ける
といったことです。
(1)の目視できる情報というのは大事です。フィルターのかかった世界がバーチャルなのに対して、目視したものはリアルな世界です。当然リアルな情報は信頼性が高くなります。
(2)の信頼できる情報源は、疑いだしたらキリがありませんが、とりあえず今主流となっていそうな情報を見るといいと思います。それ以外の情報源に関しては、私の場合その情報を提供したメディアや個人がこれまでにどういう情報を提供しているのかをチェックします。
(3)ですが、これはメンタルヘルスの面から大切にしたいことです。「いろいろあるけど、うまくいっている部分もある」と認識できればメンタルも安定しますし、いざというときに慌てることなく行動できるようにもなります。
不安に対して予防したり、対策を講じるのはとても大切なことですが、必要以上な情報によって、メンタル面で支障が出るのは避けたいものです。
人は「できることしかできない」ようになっていますから、不安に思う以上に「できること」に意識を向けるようにすることをオススメします。
●教えてくれた人
【川本義巳さん】
うつ専門メンタルコーチ。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。その体験をきっかけに現職に。著書に『1日3分でうつをやめる。
』(扶桑社刊)がある
「過敏になってしまって、メンタル面に支障をきたさないようにしましょう」と話すのは、うつ専門メンタルコーチの川本義巳さん。
ここでは、ネガティブな情報に過集中してしまわないための、日々の過ごし方のコツを教わりました。
多すぎる情報にまどわされないためのコツ(※写真はイメージです。以下同)
新型コロナうつに注意。多すぎる情報にまどわされないで
人は心理的に、「なにかひとつのことにロックオンすると、ほかのことが削除される」という特性を持っています。
今回のように「新型コロナウイルス」というキーワードにロックオンしてしまうと、それ以外のことが目に入りにくくなります。そのため、ロックオンされたキーワードについて、ずっと監視し続けてしまうということが起こります。
たとえば、Googleの検索をイメージしてもらうとわかると思います。
なにかを検索をする場合、そのキーワードを入れて検索ボタンを押しますよね。そうすると、そのキーワードに合致した情報のみが羅列されて出てきます。
言い換えれば「それ以外の情報が見られないフィルター」をかけて世界を見ているのと同じ状態です。
今は多くの人が、「新型コロナウイルス」というキーワードにロックオンしているようなもの。
そうなるとこの世界での話題は、発症のことや、マスクのことに終始してしまいます。
●「フィルター越しに見る世界」に気をつけよう
フィルター越しに見る世界は、事実であって事実ではありません。なぜ事実でないのか? というと、世界はもっと広くていろんなことが起こっているからです。
個人の生活にとっても例外ではありません。日々うまくいっていること、いかないこと、嬉しいこと、楽しいこと、悲しいこと…いろんなことがたくさんあります。
でも私たちは、フィルター越しの世界をつくってしまうと、そういうものをすべて削除してしまいます。そうなると、せっかくいいことがあっても、それを感じられなくなってしまう。
新型コロナウイルスに限らず、ネガティブなキーワードのフィルターを持ったままだと、ネガティブな世界の中での体験しか得られなくなってしまいます。
それは、メンタル的にいい影響を与えているとは言いづらくなります。
現代は情報過多の時代です。昔のように自分から新聞を読む、雑誌を読む、テレビを見る、ラジオを聴くということをしなくても、スマホやパソコンを開くだけで、洪水のように情報が溢れてきます。
もちろんなかには不要な情報もあるわけですが、いったん目に留まってそれにロックオンすると、瞬間的にフィルターができ上がります。つまり、自分から選んでフィルターをつくっているというよりは、反応的なものです。
今は否が応でも「新型コロナウイルス」というキーワードが目に入りますから、フィルター化しやすい面があります。
●あえて「情報を入れない」対策を
では、どうすればいいのか? 専門家がすでに話されていますが、「情報を入れない」ということがいちばん効果的。つまり、物理的に見ないようにするということです。
成功者と呼ばれる人たちの家にはテレビがないという話を聞いたことがあります。それは「ネガティブな話題が多いから」「必要でない情報が多いから」ということだそう。あえて、そういったことを意識する必要も出てきていると思います。
かといって、まったく入れないのはかえって不安という面も。そこで私がオススメしているのは、
(1) 自分の周囲はどうなっているのか? 目視できる情報を最優先する
(2) できれば情報源は信頼できるものにしぼる
(3) 自分の生活のなかで、問題のない部分にもちゃんと目を向ける
といったことです。
(1)の目視できる情報というのは大事です。フィルターのかかった世界がバーチャルなのに対して、目視したものはリアルな世界です。当然リアルな情報は信頼性が高くなります。
(2)の信頼できる情報源は、疑いだしたらキリがありませんが、とりあえず今主流となっていそうな情報を見るといいと思います。それ以外の情報源に関しては、私の場合その情報を提供したメディアや個人がこれまでにどういう情報を提供しているのかをチェックします。
(3)ですが、これはメンタルヘルスの面から大切にしたいことです。「いろいろあるけど、うまくいっている部分もある」と認識できればメンタルも安定しますし、いざというときに慌てることなく行動できるようにもなります。
不安に対して予防したり、対策を講じるのはとても大切なことですが、必要以上な情報によって、メンタル面で支障が出るのは避けたいものです。
人は「できることしかできない」ようになっていますから、不安に思う以上に「できること」に意識を向けるようにすることをオススメします。
●教えてくれた人
【川本義巳さん】
うつ専門メンタルコーチ。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。その体験をきっかけに現職に。著書に『1日3分でうつをやめる。
』(扶桑社刊)がある