東京マラソン、海外勢は新型コロナに複雑胸中 「世界が震撼」「神に祈るしか…」
「3・1」東京マラソン、昨年覇者が胸中吐露「将来が心配」
3月1日に行われる東京マラソンの会見が28日、都内で行われた。東京五輪男子代表の3人目を選考するMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジの第2戦。世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、会見に出席した海外勢は神妙な面持ちで複雑な胸中を明かした。
異例の規模縮小となった大会。世界中を騒がせる感染症の影響を受け、次々と競技、イベントの中止や延期が発表されている中、東京マラソンは一般ランナーの参加を取りやめ、エリートの部約200人の参加という措置をとって行われる。この日会見に出席したマラソン招待選手のエチオピア勢は、大会を取り巻く環境などを問われて心境を明かした。
男子世界歴代3位となる2時間3分48秒の記録を持ち、昨年大会覇者のビルハヌ・レゲセは「この病気は世界中を震撼させている。これは神に祈るしかない。マスクをするとか、手洗いをするとかはやっています」と説明。「世界中を心配させていますが、自分ではどうすることもできないので、将来どうなってしまうのか心配です」と明かした。
ゲタネ・モラは「この病が発生してから非常に心配している。多くの人が亡くなっているし、この病気にかかった人がたくさんいる。清潔にして、マスクで覆うことなど注意をしないといけない。神に祈るしかない」と話した。シサイ・レマも「今年は特別なことが起きている」と切り出すと、こう続けた。
「病を滅ぼすはできない」「人類にとって非常に大変なこと」
「人類を滅ぼすかもしれない病が世界中で流行っている。これを滅ぼすはできない。どこにあるかもわからない。自分で止めることもできません。治療薬、予防の薬が発見されるまで人類にとって非常に大変なこと。国から国への渡航がなくなればいいのかもしれないが、そういうことはできない。
できるのは神を信じること。自分たちでやるのは困難。一人で暮らしているのであればいいが、それもできない。この病気は兆候も見られず非常に心配です。このような病気が襲ってきているので、神に祈るしかない。非常に心配です」
車いすの部では新型コロナの影響を懸念して海外選手の出場辞退が続出した。女子のルティ・アガは「神様に守っていただくしかない。神様にお祈りするばかりです」と不安を吐露。ベルハネ・ディババは「この病気が広まっていると聞いた時から世界中を心配していた。自分だけが注意しても難しい。どのように感染するかわからないので神に守っていただくばかりです。祈るしかありません」と話した。
今大会は日本記録保持者・大迫傑(ナイキ)、前保持者・設楽悠太(ホンダ)、井上大仁(MHPS)らが東京五輪代表残り1枠を懸けて争う。会見は関係者や報道陣にマスク着用など予防策を呼びかけ、選手への囲み取材はなし。選手たちの座る壇上と報道陣との間には約10メートルほどのスペースがとられて行われた。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)