理事会後の記者会見に出席した村井チェアマン。無観客試合について否定的な考えを表明した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 Jリーグの村井満チェアマンは2月25日、リーグ戦の延期が決定した定例理事会後の会見で、無観客試合での開催という対応策ついて、自身の考えを明かした。
 
 新型コロナウイルス感染拡大を予防する対策として、2月28日から3月15日までの3週間の期間に開催予定のリーグ戦、およびルヴァンカップの開催を延期する決定をしたJリーグ。会見で村井チェアマンは、「無観客試合は検討されたか?」との記者の問いに、以下のように見解を述べた。
 
「我々プロのスポーツ団体は、ある意味ファン・サポーターの皆様に支えられて運営をしております。単純にただ勝った負けたの試合結果だけを競い合うものではなくて、ファン・サポーターにそれをお届けするために存在していると思っていますので、無観客の試合に関しては最後の最後まで手段として取るべきではないと思っています。
 
 時に制裁等でクラブに対して無観客試合を科すことはありますが、試合日程を変更してでも、大会方式を場合によってはチューニングしてでも、お客様の前で試合を行なうべきだと考えております。なので、取る手段としては最後の最後に慎重に考えるべきだと思っています」
 
 村井チェアマンは、Jリーグは観客あってのモノだという考えを表明。しかし、再開を予定している3月18日までに、一連の事態が収束するか否かはいまだ不透明な状況だ。そのため、無観客試合はあくまで最終的な手段として、慎重に協議を重ねることを強調した。

 会見の最後には、「聞くところによりますと、野球が(3月)20日ぐらいから公式戦が始まるわけですけれども、野球、サッカーとも、多くの皆様に親しまれているスポーツが安全に興行できるような状態になることを願っております」と、プロ野球のシーズン開幕にも配慮の意を示し、事態の収束を願った。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部