木村拓哉

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 近頃、テレビや芸能記事、CMで、キムタク=木村拓哉(47)を目にする機会が増えたと思っている方も少なくないはずだ。芸歴30年を超え、五十路も間近のベテランにもかかわらず、いまになってシャカリキ、ガムシャラに働いているのはなぜなのか。そこには事務所の戦略があるという――。

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 俳優としては、昨年の日曜ドラマ「グランメゾン東京」(TBS)で三つ星シェフ、年明けはフジテレビ開局60周年特別企画「教場」で鬼教官を演じて、高視聴率を上げた。ミュージシャンとしては、1月8日に初のソロアルバムを発売し、それに合わせて新宿でゲリラ宣伝、渋谷タワーレコードでは売り子までこなした。タレントとしては正月恒例のバラエティ「さんタク」(フジテレビ)で明石家さんま(64)と共演し、1月15日からはマクドナルドのCMに登場し、17日からはゴルフウエアMARK&LONAの新CMも始まった。さらに3月公開の「ドラえもん」映画には声優として参加することも発表された。そして現在は、新アルバムをひっさげて、国立代々木競技場(2月8〜11日)、大阪城ホール(2月19〜20日)で初のソロコンサートの真っ最中で、SMAPの曲まで披露するサービスぶりだ。もちろん、レギュラーのラジオ番組などをこなしながらであることは言うまでもない。芸能記者も首をかしげる。

木村拓哉

「彼はあまり欲があるほうでもなく、役者がやっていければそれでいいいという考えなんですよ。次女のKoki,(17)はモデルデビューしましたし、そんなに働く必要もないと思うのですが……」

 だが、そこには事務所の全面バックアップがあるというのは大手広告代理店の幹部だ。

「キムタクがマックのCMに出演するなんて思いませんでしたよね。それも、コーヒー一杯だけで入店していいのか、悩んでみたり……。実は当初、マックはジャニーズ事務所に所属する別のタレントにオファーしたそうです。すると事務所は『木村拓哉はどうですか?』とプッシュしてきた。ようやく業績が上向いてきたマックとしても、ビッグネームはありがたいですからね。キムタクなら申し分ないと、すぐに決まったそうです」

 映画「ドラえもん」も同様と言うのは、民放プロデューサーだ。

「『ドラえもん』は制作のテレビ朝日の映画部門としては、ヒットが約束されたキラーコンテンツ。しかも、今年は『ドラえもん』生誕50周年で、新作『ドラえもん のび太の新恐竜』は40作目となるメモリアル作品ですから、いつもに増して注目度は高い。そこに目を付けたのがジャニーズで、キムタクを猛プッシュしたそうです。テレ朝としても、キムタク主演のドラマをオファーしていたところで無下にもできない。ドラえもんの製作陣に彼を推薦。キムタクは声優としても過去に、ジブリ映画『ハウルの動く城』で声優として主演し、200億円にせまる興収を稼いだ実績もありましたから、映画部門はもちろん快諾したそうです」

嵐メンバーの力不足

 なぜ彼をそこまで働かせたいのだろうか。

「ジャニーズ事務所は、今年12月31日で活動休止をする国民的人気グループ・嵐の後を考えているんです。当初は、活動を休止する大野智(39)以外の個々のメンバーに仕事が舞い込むと見込んでいました。しかし、それは予想をかなり下回っているそうです」(同)

 嵐には、俳優としてキムタクを凌ぐと言われた二宮和也(36)、キャスターや司会に仕事の幅を広げている櫻井翔(38)などもいるが……。

「確かに“ニノ”は映画やドラマの演技力には定評がありますし、業界ではキャスティングリストの上位に常に名前が挙がっていました。しかし、結婚発表以来、ファンは離れ、オファーも減っています。翔くんも報道番組や『櫻井・有吉 THE夜会』(TBS)などでMCを務めていますが、視聴率がいいわけではない。他のメンバーの『相葉マナブ』(テレ朝)や『ニノさん』(日本テレビ)も同様で、目立った視聴率を上げていません。しかし、『嵐にしやがれ』(同前)と『VS嵐』(フジ)は別です。つまり、嵐はグループだと確かに数字を稼ぎますが、個々のメンバーだとそれほどでもないのです。これは同じく国民的アイドルと言われたSMAPとの決定的な違いです」(同)

 確かにSMAPのメンバーはそれぞれが芸達者であり、それぞれが異なる個性を発揮していた。

「毎年12月にCM総合研究所が発表する『CM好感度ランキング』では、SMAPは05年まで9年連続、総合部門で1位を獲得したばかりか、個々のメンバーたちは男性部門で1位から5位までを独占したこともありました」(前出・大手代理店幹部)

 その時(05年)の順位は、以下の通り。

1位:香取慎吾
2位:木村拓哉
3位:中居正広
4位:稲垣吾郎
5位:草なぎ剛

 ちなみにキムタクは、04年までに5回(02年からは3年連続)1位となり、さらに06、07年も1位だった。一方、嵐のメンバーはCM起用社数ランキングでは10以内に入るが、好感度ランキングで上位を独占するようなことはなかった。

「SMAPは解散後も、たとえジャニーズを抜けても個々のメンバーが活躍しているように、SMAPメンバーの集客、スポンサー受けは絶大でした。嵐の解散発表後のオファーを見て、ジャニーズは改めてSMAPの実力を知ったのです」(同)

 だからキムタク? ポスト嵐なら、若いグループもいるだろうに。

「残念ながら、嵐の代わりが務まるような若手はまだ育っていません。もちろん事務所としては、今年いっぱいグループとしての嵐には稼いでもらうつもりですが、同時にキムタクの露出も増やし、来年以降も彼に稼いでもらおうという戦略なんです」(同)

 人気者はつらい。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月15日 掲載