フルーツも色付きのクリームものってない、真っ白なケーキがツイッターで注目を集めている。


雪のよう(画像はcakeworks kinpika提供)

クリームもお花も全て白。通常ならば赤いイチゴぐらいのっていそうなものだが、それすらもない。色がないと寂しい、といった固定概念を覆すような1品だ。余計な色がないことで、バタークリームでできた花がより際立って見える。

投稿したのは長野県安曇野市のケーキ専門店cakeworks kinpikaの公式ツイッター。完全オーダー制で、ケーキは店主の「きん」さんが1人で作っているそうだ。

ツイッターではこの投稿に対し、

「冬の雪みたい。美しい」
「本当に彫刻みたいですね!美しい...」
「花が精緻で綺麗!」

といった声が寄せられている。

花の部分は「素早く美しく」

Jタウンネットは2020年1月16日、cakeworks kinpikaの店主・きんさんに真っ白なケーキの製作理由を聞いた。

このケーキは昨年末、あるお客さん用に製作したもの。ケーキは花やつぼみ、葉っぱも含めてすべて白、リボンは紺で指定されたという。ケーキの中身はイチゴ、生クリーム、スポンジとシンプルだ。

お客さんからは、

「受け取りで一目見たとき、家で箱を開けるとき、食べる時までずっと幸せで、大好きな白とリボンのネイビーがいつまでも見ていられる、かわいさだったけどおいしくいただいてしまった」

とのメールが届き、大満足だったようだ。


紺のリボンが映える(画像はcakeworks kinpika提供)

きんさんは、このように花をのせたケーキを「フラワーケーキ」と呼んでいる。元々は似顔絵のケーキなどを製作していたが、「お花をのせられないか」というお客さんの希望で、6年ほど前から作るようになった。

フラワーケーキが話題になるようになったのは、ここ1、2年ほど。華やかな見た目に目が行きやすいため、味には気を配っているという。特に花に使っているバタークリームには苦手意識がある方も多く、くちどけの軽いものを使用している。

精巧な花の部分はやはり難しく、手の熱が伝わらないよう、クリームを素早く絞る必要があるとのこと。安全性の面からも、「素早く美しく」は一番意識しているという。

また、白いケーキとなると色でのごまかしがきかないため、花の繊細さは余計に問われると感じているそうだ。


クリームなんて信じられない...(画像はcakeworks kinpika提供)

きんさんは白いフラワーケーキが話題になったことについて、

「こういったケーキは贈り物、自分へのご褒美、大切な節目やタイミングでご利用が多いかと思います。たくさんの方がケーキとともに、大切な時間を過ごしたいと考えてくださることが嬉しいです。そのお手伝いをさせていただくのが私の仕事なので、あくまでわき役としてひっそりと頑張りたいです」

と話している。