ナイキ は2020年、エアマックスで「女性客」を狙い撃ち
ナイキ(Nike)には、ブレザーから最近のリアクトエレメントに至るまで、大ヒットを記録したスニーカーが何十足もある。なかでも、カルチャーと収益の両面において圧倒的な影響力を誇るのが、エアマックスシリーズだ。ナイキは今年度、そのエアマックスの絶大な人気を活用したさらなる成長を計画しており、とくにスニーカー業界で軽視されているきわめて貴重なデモグラフィック、女性に照準を合わせている。伸長するウィメンズライン
パーカー氏は2019年12月の第2四半期アーニングコールにおいて、ナイキは2020年度、エアマックスシリーズとウィメンズラインにフォーカスすると宣言した。同社のアーニングコールによれば、2019年、ウィメンズラインの売上は2桁の伸びを見せており、パーカー氏はこの成長の原動力として、各シーズンのカプセルコレクションに対する女性の関心の高さを挙げた。
「今後、エアマックスをメンズとウィメンズのいずれも(100ドル[約1万1000円]未満という)中心的価格帯で販売していく」と、氏は語るとともに、同社が2017年に構築したD2Cインフラストラクチャー、エクスプレス・レーン(Express Lane)に注力し、主要都市において商品をより迅速に生産/出荷し、ウィメンズスニーカーを大々的にプッシュすると断言した。
女性向けモデルの牽引者
ナイキは早くから女性客を本気でターゲットにしてきた数少ないスニーカーブランドであり、実際、多くの業界通が同社を同分野の牽引者に挙げている。
ナイキが最近発表した女性向け注目モデルは、多くがエアマックスシリーズだ。スワロフスキーとコラボし、女性に照準を合わせて2019年末に発売したエアマックス1のゴルフシューズをはじめ、ここ数週間だけでも多くの女性向け新作エアマックスが市場に投入されている。しかも、そのいずれも、ウィメンズスニーカーは「Shrink It And Pink It(メンズモデルを小さくしてピンク色に塗っておけばいい)」という業界の固定観念にとらわれていない。ターコイズブルーのエアマックスやグレープ色のエアマックス97も然りだ。
また、エアマックスシリーズで潤っているのはナイキだけではない。同社のリテールパートナー勢も同じく恩恵に与っている。たとえば、フット・ロッカー(Foot Locker)は毎年3月26日のエアマックスデイにマルチメディアエクスペリエンスを提供しており、さらにイベントの前からナイキと緊密に協力し、90年代をテーマにしたポップアップストアなど、ナイキのブランドメッセージに合致する独自の試みを実施している。2017年の時点で、フット・ロッカーの全売上の7割近くがナイキ製品だった。
「すべてはコラボレーションのたまものだ」と、フット・ロッカーのVP兼ジェネラルマネージャー、フランク・ブラッケン氏はいう。「多くは水面下での協力から生まれる。彼らは数カ月前に計画の一部を明かしてくれるため、それを念頭に置いて[90’sポップアップやエアマックスをテーマにしたウェブシリーズといった]販促を展開できる。その見返りは、商品自体にほかならない。まさに、エアマックスさまさまと言える。たとえば、720は登場してすぐに多大な利益をもたらしてくれた。非常に実り多きパートナーシップだ」。
抜かりがない商品戦略
いくら人気が高いとはいえ、大量投入には市場を飽和させる恐れがついて回るが、その点についてもナイキには抜かりがない。2019年のエアマックスデイでは、はじめて新モデルを発表せず、いくつか旧モデルの再発に留めるとともに、「Give Fresh Air(ギヴ・フレッシュ・エア)」と題する新たなチャリティ活動にフォーカスした。
とはいえ、2020年度も引き続きエアマックスが戦略の中心的存在であることに変わりはない。パーカー氏は、オリンピックという追い風を受け、バスケットボールシューズなどのウィメンズスニーカーをこれまでにもまして強力にプッシュしていくと、公言した。
「ズームエアやヴェイパーマックスに対する斬新なアプローチをはじめ、[2020年は]マックスにおける新たな改革に期待してほしい」とパーカー氏。「[今年は]女子バスケットと我が社のビジネスの成長を祝う大いなる1年[になるだろう]」 。
DANNY PARISI(原文 / 訳:SI Japan)
