神奈川県央エリアで地域情報紙「リベルタ」を発行していた神奈川中央新聞社(帝国データバンク撮影)

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人材不足や広告収入減少などから各エリアで順次休刊 近く自己破産を申し立てる予定

 (株)神奈川中央新聞社(TDB企業コード:201105666、資本金1400万円、神奈川県大和市深見西3-1-3、代表小別所ひで子氏)は、12月24日までに事後処理を坂田淳一弁護士(神奈川県大和市中央2-1-15、大和法律事務所、電話046-263-0130)ほか2名に一任し、自己破産申請の準備に入っていたことが判明した。2020年1月中旬に自己破産を申し立てる予定。

 当社は、1990年(平成2年)2月の設立。神奈川県央エリアで地域情報紙「リベルタ(LIBELTA)」の発行を行い、広告収入を主体にポスティング受託、印刷物企画、イベント企画などを手がけていた。自社発行の「リベルタ」は、本社のある神奈川県央地区を中心に相応の知名度を有し、約30年の歴史を持つフリーペーパーとして、当地では草分け的存在。以前は、横浜駅周辺(横浜市西区、保土ヶ谷区、中区)や湘南地域(藤沢市)、さらに横浜市瀬谷区や泉区、厚木市内も対象に地域版を発行。主婦層を主な読者として、各エリアの企業や店舗から集めた広告物とともに配布し、2001年11月期の年売上高は約3億6900万円を計上していた。

 しかし、その後は人材不足や広告収入減少などから各エリアで順次休刊となり、近年は大和・相模原南部版(約7万部)、海老名・座間・綾瀬版(約8万部)の2エリアで、それぞれ毎週発行。2017年には事業効率化とともに経費抑制のため事業所を統合し、本社1カ所での運営に移行していた。この間、インターネット広告など他媒体との競合などから、主力部門である「リベルタ」の広告収入が低調に推移し、2018年8月期(決算期変更)には年売上高約1億9000万円にまで減少。同年9月からは借入金の返済猶予を受けていたうえ、この間の3期連続赤字計上から、財務面は債務超過状態を余儀なくされるなか、2019年11月28日に「リベルタ」休刊を公表、実質的な活動を停止していた。

 負債は債権者約29名に対し約1億800万円の見込み。