日本でのプレシーズンマッチに臨むグリエーズマン。その前日会見の場で古巣への“本音”も飛び出した。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 今夏の移籍市場でアトレティコからバルセロナへ移籍したアントワーヌ・グリエーズマンが、自身をスターへと押し上げてくれた指揮官への想いを口にした。

 今月12日にバルサが契約解除金1億2000万ユーロ(約150億円)を支払うかたちで晴れてブラウグラーナ(青とえんじの意)のユニホームに袖を通すこととなったグリエーズマン。だが、契約解除金2億ユーロ(約250億円)から1億2000万ユーロに下がる7月1日より前の今年3月の時点で合意していたと、国際サッカーが連盟(FIFA)に訴えたことで、“泥沼の移籍劇”という見方もされている。

 自身の退団の仕方に異議を唱えた古巣に対して、グリエーズマンは、22日に都内で開かれた会見の場で、「もちろん僕の耳にも届いているけど、それに対して何かをするつもりはない。きっとそういうことを言うのは、僕がアトレティコで『顔』だったからだ。でも、もう僕はバルサの戦術や雰囲気に馴染むことを考えているし、心はバルサにある」と、少しばかりうんざりしたような表情で交渉の正当性を口にした。

「心はバルサ」とは言いつつも、古巣への感謝の想いを忘れているわけではない。とりわけ、2014年の夏にレアル・ソシエダから入団して以来、エースとして信頼を与え続けてくれた“恩師”ディエゴ・シメオネには特別な感情を抱いるようだ。

「チョロ(シメオネの愛称)との関係はとても良い。今もね。彼は僕にとって監督以上の存在だ。何というか、友人でもあり、僕らは子どものようでもあった。チョロは僕の人生にとって、スポーツの面でも、そうではない面でも、とても重要な人だったんだ」

 手塩に掛けて育ててくれた人への感謝を口にしたグリエーズマン。その表情は、穏やかなものに変わっていた。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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