ロータスの電動ハイパーカーEvija、フル充電時間わずか9分。2000馬力、2億円超とスペック・価格もハイパー
スポーツカーメーカーのロータスが、初のエレクトリック・ハイパーカー「Evija(エヴァイア)」を公開しました。その未来的な外観のボディに隠されたパワートレインは、2000ps(1972hp)というちょっと想像できない超高出力を路面に叩きつけます。「Evijaはスポーツカーファンがロータスに抱くブランドのイメージを再確立するだろう」とロータスCEOのフィル・ポッパム氏は述べました。そして、まだ開発中ではあるもののEVスポーツカーとしてかなりの高性能さをほこるテスラの新型ロードスターへの対抗心を覗かせています。もっとも、Evijaが170万ポンド(約2億2800万円)なのに対し、新型テスラ Roadsterは20万ドル(約2600万円)と価格は雲泥の差ではありますが。

先ほど未来的と書いたそのボディワークは、ロータスよりはむしろフェラーリ488から影響を受けているようにも見受けられます。たとえば車幅いっぱいに展開して縦長のLEDヘッドランプ形状や、ボンネットの形状、リアフェンダー前のエアインテーク(トンネル?)etc...

一方で、テールまわりのデザインは大胆と言うほかなく、フェンダー前から後輪の内側にエアを流す処理はなんとなくフォードGT的でもあります。

開発に携わったプロジェクトチームは、Evijaの初期デザインについて、何世紀にもわたって築かれた自然の岩の層からインスピレーションを得たと語っています。確かに、特にサイドビューにおいて、いくつもの線が折り重なるように組み合わされ、独特の美しさを放ちつつ「最大のダウンフォースを発生」するよう考慮されているとのこと。

また、ホンダeでも採用されていたリアビューカメラの採用もEbijaの特徴のひとつ。フロントフェンダー後方、ドアパネル前端部に位置し、運転席から見える必要がないためおそらく膝ぐらいの、かなり低い位置に装備されます。

インテリアに目を移せば、皮を巻いた特徴的な変形ステアリングホイールに装備される多数のスイッチ類が、嫌が応にもレーシングカー的な雰囲気を高め、ドライバーをその気のさせそう。赤いスイッチは走行モードでEco / City / Tour / Sport / Trackを切り替える役目を果たします。

テスラとの大きな違いは、デジタルデジタルしていない所。ディスプレイと言えるものはステアリングの向こうにあるインスツルメントパネルのみで、ドライビングに必要なインフォメーションはこのパネルにだけ表示され、必然的にマシンの操縦に集中しできます。なお、センターコンソールには触覚フィードバックと光で操作を確認できるタッチ式スイッチが配されており、主な販売ターゲットとなるセレブたちの美的意識を刺激します。

ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリングが開発する2000psのパワートレインを誇るEVハイパーカーだけにその加速性のも凄いのかと思いきや、0-62mph(0-100km/h)加速は3秒以下と少々あいまい。テスラの新Roadsterが1.9秒とされるのを考えるとかなり控えめ(あくまで2000psのハイパーカーとしてはの話)です。またテスラRoadsterがわずか9秒で250mph(約467km/h)に達すると豪語するのに対して、Evijaは187mph(300km/h)までが9秒。このあたりはいつもついつい大げさな話をしてしまうイーロン・マスクに対し、歴史ある自動車ブランドとして実直な数字を述べたのかもしれません。

そして、バッテリーは800kWの充電ユニットを使うことで約9分で充電が完了します。800kWの充電器というものがどこで売られているのかはさておき、EVのバッテリーを10分未満でフル充電にできる可能性があると言うだけでただただ凄いと言うほかありません。頬をひっぱたいて現実世界を見れば、実在する最大出力の350kW充電器を使った場合でも、Evijaは18分でフル充電が完了するとのこと。なお航続距離は270kmと控えめです。

ロータスEvijaは、2020年に生産を開始する予定です。