7年ぶりの生え抜き日本人トップ、IBMのデジタル変革はどこまで進むのか
会見で山口社長は、米IBMが提唱する「DX第2章」に対し「さらにその先を見据えて、“クライアント・ファースト”で社会変革や業界プラットフォーム(基盤)の提供などにも注力する」と意欲を示した。
こうした取り組みは米IBMを中心にグローバルでも検討中。日本IBMはグローバルに先駆けて実践し「コンサルティングからシステム構築、運用・保守まで一貫した新しいサービス体制を築く」(山口社長)。長年培ってきた総合力を結集することで、クラウド専業との差別化を図り、本丸である客先の基幹システムのDX化を先導する。
新しいサービス体制は、お家芸であるアウトソーソング(外部委託)サービスをほうふつとさせるが、いわゆる“丸抱え型”ではなくユーザーに対して多様な選択肢を提供する。特定業者に依存しないオープン技術を前提として、人工知能(AI)「ワトソン」や「IBMクラウド」など看板の製品・サービスも選択肢の一つとし、マルチクラウド、マルチAIにかじを切る。併せて「データ×AI」の新潮流も深耕する。
先兵となる米レッドハットの買収は、まもなく完了する見通し。グローバルの戦略に沿って、国内でもレッドハットとの連携強化により、オープンソースソフト(OSS)によるエコシステム(協業の生態系)の拡大に力を注ぐ。
IBMは09年に「スマーター・プラネット(賢い地球)」を提唱し、ITの適用領域を拡大し市場を先導してきた。だが12年ころからアマゾン・ウエブ・サービス(AWS)などのクラウド専業との戦いが激化し、IBMは守勢に立たされてきた。
今も激戦は続くが、マルチクラウド化の中で、クラウド専業との戦いの局面が変化。DX第2章では、基幹システムのDX化が焦点であり、IBMをはじめITの古豪ベンダーの巻き返しが注目されている。山口社長の腕の見せどころだ。
