「元に戻す」でiPadのシェイクはもう不要!「iPadOS」の新ジェスチャーが便利な予感(井上晃) #WWDC19
WWDC19では次期OSについて数えきれないほどの新機能が発表されました。この中で、筆者が一番ワクワクしたのは、やはりiPadOSに関する話題。いまUI改良による伸び代が一番大きく感じられるのっておそらくiPadだと思うんです。「ここがもう少し改善されれば言うことないんだけどなぁ......」と密かに胸に秘めていた箇所が次々に改善されていく様子はまさに爽快でした。

特に、文筆業を営む上で一番ありがたいのは、なんといってもコピー&ペースト操作が楽になること。指での文字テキスト選択や、3本指でのジェスチャー操作は、ぐっと扱いやすさを向上させると思います。

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そもそもiPadには(当然ですが)MacBookと違ってトラックパッドがないので、テキストを範囲選択するには、おなじみとも言える一連のタッチ操作を行わなければなりませんでした。

ちょっとしたメモを取るくらいなら別に気にしないところなのですが、仕事として原稿を執筆するときには、構成を推敲するために結構な時間を要します。つまり、"この段落はやっぱり前に持って行こう"とか"このブロックは思い切って削除しよう"とかを考えて、コピー&ペーストやブロック単位での編集する、この過程が果てしなく多いのです。

しかし、今回新たに発表されたテキスト編集方法では、操作にかかる手間と時間が従来よりもぐっと短くできそうです。これならキーボード面に腕をおいて、必要なときにだけ画面をタッチするというPCライクなスタイルでも軽やかに扱えるはず。

▲テキスト選択はカーソルを調整する必要はなく、画面をなぞるだけでいいように。PCをマウスで操作するときの感覚に似ています(※画像は筆者が本記事用に作成した操作イメージで公式のものではありません、以下同)


▲3本指でピンチインしてコピー

▲3本指でピントアウトしてペーストできます

さらに「Safari」や「ファイル」アプリにおいては、キーボードショートカットが充実したので、そちらと並行して使うことになるでしょう。

また、一つ前の操作を取り消す「UNDO(アンドゥ)」の操作にも思うところがありました。iPhoneなら端末をシェイクしてスマートにUNDOできたのですが、iPad Proだと巨大な端末を両手で持ち上げてフリフリしなくてはいけません。いきなりカフェでやりだしたものなら、隣の人から仕事のストレスで発狂したのかと勘違いされかねない(苦笑)。

このUNDO操作に関しても指3本のジェスチャーで行うことができるようになります。この方が圧倒的にスマートなのは言うまでもありません。


▲UNDO(一つ前の操作を取り消す)操作は、指3本で左スワイプ

最後にもう一つだけ覚えておきたいのは、画面のスクロール操作が行いやすくなったこと。画面右端に表示されるスクロールバーを上下にドラッグすることで、ページ位置を調整できるようになります。従来は指で繰り返し画面をシャッシャッとスワイプしていましたが、もうその必要はありません。

▲「スクロールバー」を上下にドラッグでページのスクロールが可能に

既報の通りiPadOSでは、ホーム画面にウィジェットが設置されるようになり、Slide Over(スライドオーバー)・Split View(スプリットビュー)のマルチタスキングも改良が施されるのが特徴です。また、ファイルアプリがアップデートされ、外部メモリ対応や共有フォルダ対応などが便利なのは、言うまでもありません。

一方で、筆者としては本稿で紹介したような操作方法の改良についても、高く評価したいところです。ビジネスシーンでの活用や、私用での運用を問わず、多くの人にとって操作を効率化するための必須テクニックとなるでしょう。

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