試合後に健闘をたたえ合う錦織とペール【写真:Getty Images】

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第4セットで生まれた珍場面に広がる反響、海外メディア「こんなことが」

 テニスの4大大会・全仏オープン(テレビ東京系で地上波独占放送)は3日、男子シングルス4回戦で第7シードで世界ランク7位の錦織圭(日清食品)が同38位のブノワ・ペール(フランス)を6-2、6-7、6-2、6-7、7-5で下し、2年ぶり3度目の8強進出を決めた。日没順延により第4セットから再開された試合では珍場面が発生。錦織の強烈なショットがペールのラケットにハマる、まさかのシーンを大会が動画付きで公開して話題を呼んでいたが、海外ファンにも「ボールは生きてる?」など反響が広がっている。

 2日間に渡る激闘で、珍しいシーンが生まれたのは再開直後の第4セットだった。第5ゲームの錦織のサービスのラリー。前進したペールのショットが錦織のチャンスボールに。これに錦織がチャージをかけ、渾身のフォアハンドを放った。しかし、ボディを狙ったボールはどこにも弾まない。消えた……。どよめきが起こった会場のファンが見つめたのは、ペールのラケットだった。

 なんとボールがスロート部分にすっぽりハマってしまったのだ。これにはファンはもちろん、ATPの実況も驚きを隠せない様子だった。まさかの珍事の瞬間を大会公式ツイッターが動画付きで公開。さらに、ATPツアーの公式ツイッターは「ブノワ・ペールがケイ・ニシコリを相手に回避行動」と同様に世界に向けて紹介すると、目の当たりにした海外ファンも仰天の声を続々上げた。

海外解説者「ブノワ・ペールにしかできません」

 コメント欄では「もしこのボールが挟まったラケットを相手コートに投げたらブノワのポイントになる? ボールはまだ生きている状態なの?」との声が上がり、米専門局「テニスチャンネル」公式ツイッターも「我々はあらゆることを見てきたと思ったが。こんなことが」と紹介している。

 ヤフースポーツ豪州版は、現地解説者が「ブノワ・ペールにしかできません」「ブノワ・ペールだけです。非常に素晴らしい」「マジカル。なんてマジカルなんでしょう」と感嘆したことを伝えている。

 2日間に渡る激闘を制した錦織は「1ポイント1ポイントに集中してプレーしました。何とか勝ち抜けることができましたが、彼には脱帽です」とペールを称え、準々決勝に視線を向けた。連戦となる4日の世界ランク2位ラファエル・ナダル(スペイン)戦で初の4強進出をかけ、全仏11度優勝の“クレーの帝王”に全力で挑戦する。(THE ANSWER編集部)