中国でアップル製品ボイコットの動き強まる?SNSに「iPhoneを使うことに罪悪感」の声も
ASSOCIATED PRESS

中国でのiPhone売上げは今年4月に「劇的に改善した」と報じられていましたが、米中貿易摩擦が激しさを増すにつれて、現地ユーザーがアップル製品の不買運動を呼びかける「Boycott Apple」(ボイコットアップル)の動きが強まっていると伝えられています。今月15日、米トランプ大統領は「情報通信技術とサプライチェーンの保護にかかわる大統領令」に署名しました。これにより米国の通信会社が"敵対的な国"の機器を買うことを禁じ、中国政府と縁の深いファーウェイやZTEといった中国企業のネットワーク機器を排除。それとともに、ファーウェイが許可なく米国の重要技術を購入することも禁じており、アップル製品が米国を代表して中国で反発を買う下地はますます固まっているわけです。

米BuzzFeed Newsは、中国版TwitterといえるWeiboでボイコットアップルの動きが高まっている様子を報じています。あるユーザーは「ファーウェイの機能はアップルのiPhoneと同じかそれ以上だ。我々にはそうした優れたスマートフォンの選択肢がある。なぜ、いまだにアップル製品を使っているんだ?」と呼びかけているとのこと。

また「ファーウェイのブランドは素晴らしいと思います。1つのリンゴを8つに切り刻んでいるのだから」といった辛辣な冗談もあり。別のユーザーはiPhoneから投稿しつつ「私は(米中の)貿易戦争を見て罪悪感を覚えています。お金が手に入ったら、スマートフォンを買い換えるでしょう」と述べています。

中国でボイコットアップル運動が盛り上がっているのは今回が初めてではなく、昨年末にファーウエイのCFOがカナダで逮捕された後にも複数の中国企業がアップル製品を買わないよう従業員に働きかける動きが伝えられていました。さらにiPhoneの中華圏での大幅な売上減少が報告された際も、その原因の1つが「非公式のボイコット」の可能性があるとの分析も報じられています。

ボイコットアップル運動の一方では、中国企業がファーウェイ製スマートフォンを購入する従業員に補助金を出しているとの事例も伝えられていました。それに加えて、2018年第4四半期にアップルの中国での売上高が20%減少した際に、同時期にファーウェイ製品が25%近く増加したことも確認されています。

今後は米中貿易摩擦が激化するのに伴い、中国では「アップルの売上げが減るたびに、ファーウェイの売上げが伸びる」現象が起きるのかもしれません。