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●「最大4割おトク」な新料金が6月スタート

NTTドコモは2019年4月15日に新しい料金プラン「ギガホ」「ギガライト」を発表しました。6月より提供されるこれらの料金プランに乗り換えて、安くなる人はどのような人なのでしょうか。

○「ギガホ」「ギガライト」とはどんなプラン?

2018年より、2019年度第1四半期の新料金投入を予告していたNTTドコモ。そのNTTドコモが2019年4月15日、ついに新料金プランの内容を明らかにしました。

2019年6月1日より提供されるという新しい料金プランは、「ギガホ」「ギガライト」の2つ。従来、ドコモの料金は、音声通話などを利用するための基本料と、インターネットに接続するための「spモード」、そしてデータ通信に必要なパケット定額サービスを合わせて選ぶ仕組みでしたが、新料金プランはそれらを全てまとめた、2つのプランのうちいずれかを選ぶ形となっています(記事内の料金は基本的に税別)。

そして2つの料金プランには明確な違いがあります。ギガホは外出先でも動画を視聴するなど、データ通信を積極的に利用する人向けのプランで、料金は2年定期契約ありの場合で月額6,980円。高速データ通信ができる容量は毎月30GBですが、それを使い切っても最大1Mbpsでのデータ通信が可能で、高速通信を使い切っても多くのインターネットサービスを利用できるというのがポイントになります。

一方のギガライトは、あまりデータ通信をしない人向けのプラン。データ通信を利用した量に応じて料金が変化する段階制を採っており、やはり2年定期契約ありの場合で、月当たり1GBまで使用した場合(ステップ1)は月額2,980円。それ以降は2GB増える毎に料金が変化し、5〜7GBまで利用した場合(ステップ4)は月額5,980円となります。ちなみに7GB以上を超えた場合は、ギガホとは異なり通信速度が128kbpsにまで落ちることとなります。

ただし両プランとも、音声通話に関しては30秒当たり20円の従量制となるため、通話定額が必要という人は別途オプションの契約が必要となります。国内通話が無料になる「かけ放題オプション」は月額1,700円、5分間無料通話になる「5分無料通話オプション」は月額700円で、以前のプランで「カケホーダイ」を契約していた人は前者、「カケホーダイライト」を契約している人は後者を追加するのがよいでしょう。

○家族契約による割引も大きなポイント

もう1つ、新料金で重要なポイントとなるのが「ファミリー割引」のグループです。

●家族向けプランの割引が拡充

「ファミリー割引」は、3親等までのNTTドコモ契約者を「家族」としてグループにまとめる仕組みのこと。曾祖父母やおじ・おば、おい・めいなども対象となるため、かなり広い範囲でグループを組むことが可能。もちろん新料金プラン以外の契約者とグループを組むことも可能です。

そしてこのファミリー割引グループに入っている新料金プラン契約者全員が受けられるのが、「みんなドコモ割」というもの。ギガホ、ギガライトどちらを契約していても、グループ内の契約数が2回線であれば月額500円、3回線以上であれば月額1,000円の割引が受けられます。

もう1つ、ファミリー割引グループの中に「ドコモ光」の契約者が1人でもいると、やはり新料金プラン契約者の全員が受けられる「ドコモ光セット割」も用意されています。こちらはギガライトのステップ1では値引きなし、ステップ2(1〜3GB)では月額500円、それ以外であれば月額1,000円の値引きを受けることが可能です。

これら2つを合わせると、最大で月額2,000円の値引きが受けられることから、ギガホの場合月額4,980円で利用できる計算となり、かなりお得になることが分かるのではないでしょうか。

○新料金プランで損をする人は?

一方で、新料金プランに移行すると損をする可能性が高い人もいます。

●端末購入に要注意! 新料金プランで損をする人

損をする可能性が高い人は、「単身契約者」「スマートフォンを購入して間もない人」「docomo with契約者」ということになるでしょう。

まず単身契約者についてですが、元々NTTドコモは家族契約を非常に重視しているため、「家族が他のキャリアを契約している」などの理由から、単独でNTTドコモを契約している人は基本的にあまり重視されていません。他社への乗り換えを検討したほうがよいといえます。

残り2つのケースが損になる可能性が高い理由は、端末代にあります。新料金プランがこれだけ料金を引き下げられた最大の理由は、従来「月々サポート」などで端末代を値引いていたぶんを、通信料の値引きに割り当てたためです。

そもそも新料金プランが導入されたのは、総務省が過度な端末代の値引きを禁止し、通信料金と端末代金を明確に分離する「分離プラン」の導入を携帯電話会社に求めたから。それゆえ新料金プランでは、通信料が安くなる代わりにスマートフォンの値引きが大幅に減るのはもちろん、新料金プランに変更すると従来型の端末値引きである月々サポートなども適用されなくなってしまいます。

まだ月々サポートが適用されている人は、それが終わってから新料金プランに移行しないと損をしてしまうので注意が必要です。

またdocomo withに関しては、元々端末代の値引きがない対象機種を購入する代わりに、毎月の通信料を1,500円値引く仕組みであるため、同じ仕組みの新料金プランに移行してもあまり得にはならず、むしろ損をするケースも出てきてしまうのです。

先の例でいえばウルトラデータLパックとシンプルプランの組み合わせと、ギガホとの料金差は300円しかないことから、毎月20GBを超えていないのであればdocomo withで1,500円の値引きを受けたほうがお得、という計算になるわけです。

○新料金プランで得をする人は?

では一体、新料金プランでは誰が得をするのでしょう。

●得するのは「大容量」「使わない」「新規」の人

新料金プランで得をするのは、データ通信を「たくさん使っている人」「ほとんど使ってない人」そして「新規契約者」ということになるかと思います。

データ通信を「たくさん使っている人」の例を挙げますと、ギガホと同じ30GBの「ウルトラデータLLパック」(月額8,000円)を利用している人の場合、これまでは2年定期契約、かつ「シンプルプラン」(月額980円)、spモード(月額300円)との組み合わせで月額9,280円かかっていました。

ですがギガホに変えると月額6,980円となり、3割近く安くなります。20GBの「ウルトラデータLパック」(月額6,000円)と比べても、spモードの料金ぶんギガホのほうが安く、しかもデータ通信量が増えることから、やはりお得だといえます。

一方、データ通信を「ほとんど使ってない人」の場合、「ベーシックパック」のステップ1(1GBまで)の料金は月額2,900円で、これにシンプルプランとspモードを加えると月額4,180円でした。音声通話の基本料金とspモードを含んだギガライトはステップ1で月額2,980円となるので、やはり3割程度安くなることがわかります。

ちなみに家族で利用する場合ですが、これまでNTTドコモはデータ通信量を家族で分け合う「シェアパック」が主体であったことから一概に比較するのは難しい部分もあります。

ですがシェアパックでは家族全体の通信容量を契約する必要があり、どのプランを選ぶのが適切か判断するのが難しかったのも事実。個々の契約者毎に料金プランを選べ、そこに家族向けの割引が適用される新料金プランのほうが、分かりやすくなったぶん適切なプランを選びやすくなったことは確かでしょう。

○新規契約者がお得になるワケは

そして新規契約者がなぜお得になるのかというと、長期契約者向けの優遇が減少し、新規契約者との差が少なくなったためです。

従来プラン向けの「ずっとドコモ割プラス」では、dポイントの場合ウルトラデータLLパックで毎月最大960ポイント、最大容量となる「ウルトラシェアパック100」では最大3,000ポイントを受け取ることができました。

ですが新料金プラン向けの「ずっとドコモ特典」の場合、誕生月、つまり1年に1度だけ、最大3,000ポイントが進呈されるにとどまるため、お得感が薄いのです。

つまり新料金プランは、長期契約者向けの優遇特典を減らし、そのぶんを全体的な料金の値引きに割り当てられているわけです。

ゆえに長期契約者には不満が残る部分がありますが、新規契約者にとっては料金が下がったぶんお得になったといえるのです。

ちなみに、今回の比較はあくまでスマートフォンの料金を含まない場合に限定されたものです。

新料金プラン導入後にスマートフォンを買い替えたいという人は、今後新料金プランに合わせた新しい端末購入補助の仕組みが発表されるため、その内容を見た上でお得度合いを判断する必要があることも、覚えておいて下さい。