熾烈な「携帯ポイント」競争、顧客をつなぎとめるサービスは何だ?
「ドコモの会員基盤をベースに、顧客一人ひとりを理解し、魅力的なコンテンツを届けたい」―。NTTドコモの吉沢和弘社長は7日、米ディズニー4ブランドの映像作品をスマートフォンなどで見放題となる新サービスの発表会で、自社ポイント会員基盤「dアカウント」の狙いをこう語った。視聴するための認証や決済基盤にはdアカウントを用いる。
コンビニやドラッグストアなど日常生活のあらゆる場所でdポイントが使えるようになった結果、ポイント還元率が高い自社クレジットカード「dカード」を使う自社決済が増え、顧客基盤に集まる情報もより精密化。集めたデータを基に、ドコモやポイント加盟店が顧客の住む地域や属性に最適なマーケティングを行い、売り上げを増やす経済圏ができつつある。
ソフトバンクも4700万の月間ログインIDを持つヤフーとの連携を強化。ソフトバンクの利用者はヤフーの有料サービス「ヤフープレミアム」を無料で利用できるようにしたこともあり、「(18年末時点の)ヤフーIDとの連携数は前年同期比26%増の1399万件に増えた」(宮内謙社長)。ソフトバンクとヤフーの利用情報をもと、顧客ごとに最適なサービスを提供できる体制作りを急ぐ。
携帯電話大手が経済圏の拡充を急ぐ理由は、政府による携帯電話料金引き下げ圧力に伴う新たな収益源の確保のためだ。自社ポイント基盤を軸とした各種サービスの拡充が必須となっている。
もう一つは今秋に携帯電話事業へ参入する楽天の存在だ。1億人以上の会員数を基盤に参入する楽天は、既存の携帯各社にとって大きな脅威だ。携帯電話大手のポイント会員数は今後の国内携帯電話大手の競争力を占う指標にもなる。
ただ、KDDIは楽天に通信設備を貸す一方、楽天の物流や決済インフラを借りることも決めるなど、提携も盛んだ。必ずしも競合だけではなく、各社の戦略が問われている。
