PayPayは第2弾キャンペーンを発表

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ヤフーの株価が2019年2月5日、一時前日終値比10.2%(30円)高の324円まで上昇した。前日4日の取引終了後に発表した2018年4〜12月期連結決算(国際会計基準)に合わせて公表した中長期の業績見通しを投資家が好感したようだ。

同じ日には、PayPayの第2弾キャンペーンも発表。これも、株価上昇に寄与したとみられる。

具体的な内容が「ポジティブな印象」

ヤフーは2月4日の取引終了後、2018年4〜12月期連結決算発表時に配布した「決算説明会資料」の中に「長期的な売上収益・営業利益について」との項目を設けた。

2024年3月期に連結営業利益は過去最高となる2250億円を目指し、それにいたる2019年3月期〜2023年3月期の5年間は「構造変革期間」と位置づけ、2019年3月期で営業利益1400億円以上の水準を確保する見通しを示した。

構造変革期間においては、インターネットショッピングモール(出店者)の広告や、スマホを通じた決済金融サービスなどを強化すると記している。ちなみに先に説明した足元の2019年3月期の連結営業利益予想「1400億円以上」は、2月4日に業績予想を上方修正したもの。従来予想の「1330億円〜1430億円」を「1400億円〜1430億円」へ、予想の下限を70億円引き上げたものだ。

また、従来重きを占めた直接的なネット広告ではなく、「販売促進」を重視。その「販売促進」市場において、売上高にあたる売上収益は「検索連動型広告」などにより、2018年3月期の3034億円から2024年3月期に「5000億円を目指す」と表明した(ちなみにヤフーの2018年3月期全体の売上収益は6587億円)。こうした発表内容についてSMBC日興証券は2月5日に配信したレポートで「今回中長期的な見通しについて従来よりも具体的に示され、その点はポジティブな印象である」と指摘した。

第2弾キャンペーンで「普及進む」と判断

これを受けてヤフーの2月5日の株価は当日安値(309円)が前日高値(297円)を上回り「窓をあける」上昇となった。ただ、この日の株価上昇の背景には、中長期見通しに加え、やはり2月4日に公表された「PayPay(ペイペイ)キャンペーン」が好感されたとの見方もある。

「ペイペイ」はヤフーとソフトバンクが共同出資するスマートフォン決済会社で、2月4日に100億円を還元する大型キャンペーンを始めることを発表した。ペイペイは2018年の年末にも月5万円を上限に20%、総額100億円までのキャッシュバックを行っており、時間をおかずに第2弾を展開することで「普及が進む」と受け止められたようだ。

野村証券は2月5日に配信したレポートで「モバイル決済ペイペイの中期利益成長に期待が持てる」「ペイペイの立ち上がりは好調である。サービス開始4カ月で累計登録者数は400万人を突破し、(取り扱い)店舗獲得も好調だと推測する」と記した。