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暗くなり、スクリーンに冒頭、犬吠崎にダダダン!と波が砕け、「東映」△マークが出る……ところから、吹き出してしまった。ざらっとした画質が往年の仁侠映画風のいでたち。そして任侠感半端ない音楽。“古き良き仁侠映画ってこんな感じでしょ?”の完全パロディ。はい、まさにこんな感じです……。が、しかし、2月8日から公開されるこの映画「BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-」はアイドル映画なのである。仁侠映画ではない。

三人の極道 不始末の償いがアイドルに変身!?

三人の極道が不始末を起こしてその償い?に、「アイドルになって稼げ〜!」とアイドルにされてしまう、というお話。角刈りの頼れる兄貴はリーダー「アイリ」に、ダンディな武闘派リョウはクールな「マリ」に、元気な鉄砲玉弟分は妹キャラ「チカ」に。いかつい極道たちがアイドルに?そう、体ごと、である。タイあたりで。そして本人たちも驚くほどかわいくなって、大特訓の末デビューしたら......売れてしまうのである。

心地よく共感できる数々の仕掛け

これ見よがしな「任侠押し」が笑える。極道の普段着ってこんなんでしょ、なキンキラ部屋着(どこで買えるのだろう)、アイドルのオフってこんなんでしょ、な学校の体操着風ジャージ(いやほんとに学校のかもしれない)、ライ・クーダー風スライドギターの乾いた哀しい調べ(ほんとにライ・クーダーさんだったらごめんなさい)、これでもか、とパロディ感満載。
歌詞も爆笑だ。♪隣の島がどうのこうの〜 という歌も、常夏アイランドを歌っているのではない、島は「シマ」と書く。♪切って切って切って切って指切って〜 なんてのも剣呑だ。歌詞にとどまらない、すべてがこう。トイレの貼り紙や、一升瓶のラベルなど、隙なく何かが潜んでいるので目が離せない。

「男気」と「アイドル魂」のはざ間で揺れる女心!?

表では120点の笑顔を見せるアイドルが、楽屋に入ると一升瓶を片手に股を広げて男らしく座る。そのギャップがおもしろいのだが、一番の見せ所は、彼ら自身が「男気」と「アイドル魂」のはざ間で揺れるところである。このあたりの処理の仕方の妙、ぜひ劇場で見ていただきたい。
好きな女性ができても報われない、昔愛した女との再会にも自分が誰かを告げられない......と、「男」を捨てた(というより捨てさせられた)悲哀が通奏低音となっていて、笑っているうちにちょっとほろりとさせられもする。不覚。極道がアイドルになってしかも売れてしまう、とだけ聞けば突拍子もない枠組みに見えるが、おかしゅうてやがてかなしき......なのである。ってこれ、"万人あるある"ではないだろうけれど......、なんだか共感、できるのではないだろうか。

2月8日(金)全国ロードショー
出演:白洲迅 柾木玲弥 花沢将人 岡本夏美 松田るか 坂ノ上茜 /
大杉漣 岩城滉一 ほか
監督:原桂之介
(C)2019映画「ゴクドルズ」製作委員会