トム・クルーズ「映画を観るならTVのフレーム補間をオフに」と呼掛け。理由は「映像が安っぽくなるから」
映画俳優のトム・クルーズが、最近のテレビが搭載するモーションスムージング機能を使わないようSNSを通じて呼びかけています。

一般的なテレビ放送のフレームレートは24または30fpsです。しかし最近のテレビではプロセッサーを搭載し、フレームとフレームの間に補完フレームを生成・挿入、被写体の輪郭を際立たせて動きをより滑らかに見せる機能を備えるものがあります。

その機能はたとえばスポーツ中継などで、より生々しく躍動感ある映像を作り出し、われわれを満足させてくれますが、一方、映画や一部のTV番組においては、これが悪影響をおよぼすとトム・クルーズは訴えます。トム・クルーズは、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のBD/DVDソフト発売に合わせて、自身のTwitterに動画を投稿、監督兼脚本のクリストファー・マッカリーとともにこの映画をモーションスムージング機能を使わずに見てほしいと語りました。またテレビメーカーが設定方法をわかりやすく記していない場合はウェブを検索するようにと念押ししています。


では、具体的に何が問題なのかと言えば、モーションスムージング機能を使うと、自動的に補間・矯正された映像の動きがまるで昼メロドラマやシットコムのような安っぽさを伴ってしまうのだとか。これはフィルム撮影でカメラワークや色合いにも凝っている海外ドラマを見たあとで、やけにくっきりはっきりした画質の日本のドラマを見たときに感じる安っぽさを想像するとわかりやすいかもしれません。

このようなことを訴える映画関係者はこの2人だけではありません。同じくハリウッドで活躍するクリストファー・ノーラン監督、映画『マグノリア』でトム・クルーズを起用したこともあるポール・トーマス・アンダーソン監督、『ターミネーター3』のジョナサン・モストウ監督なども、この9月に高機能テレビのスムージング機能について同様の主張をテレビメーカーに行ない、この機能をデフォルトでオフにするよう申し入れています。

たしかに、せっかく購入した映画ソフトが、家で見るとなんともチープな映像になってしまうというのは、製作者にとっても、視聴者にとっても残念なことでしかありません。設定で回避できるのであれば、少しでも映画館に近い条件にしてその作品を楽しみたいものです。