市場開拓の後押しなるか、共和電業がライバル企業と手を組んだ理由
ライバル同士が組むのは、業界の特殊事情がある。計測機器やセンサーなどの製品は、細分化されて多岐にわたり、両社が競合しない製品も多い。共和電業はひずみゲージやデータロガー以外の競合しない製品ラインアップを補完し、相乗効果の創出を見込めると判断。フランジ型トルクセンサーや圧電式ワッシャー型ロードセルなどを日本国内に売り込む。
新しい技術の獲得にも期待が膨らむ。共和電業にない技術を含め、顧客には両社の製品を組み合わせた新しい提案が可能となった。例えば、土木建築のインフラ分野で、共和電業のひずみゲージとHBMの光ファイバー技術を組み合わせた計測機器の提案を図る。共和電業の坂野浩義技術本部副本部長は「高度化するセンサー技術への対応では、1社だけでは開発リソースに限界がある。(連携で)製品開発をより効率的に進めていく」と話す。
ライバルから学ぶことは多い。共和電業は、HBMの持つ欧州の顧客網を開拓しているが、生きた情報が入ってくるという。例えば、顧客が求める欧州の規制基準のレベル感だ。基準をクリアしても、求める高さのさじ加減が企業ごとに違う。また、説明書一つとっても、日本語と英語だけでなく、売っていくためにはどの程度、現地語を有効に使っていく必要があるかがわかる。地域に適した最良の販売方法が把握できるようになった。共和電業の海外売上高比率は10―15%。これまで日系メーカーと歩調を合わせ、海外進出を試みたが思うような成長を遂げていない。技術ではない、足りない“何か”をHBMとの協力関係の中から見いだす構えだ。
(文=松崎裕)
