【連載#2】CO2ゼロ宣言する欧米企業との差、日本の地位低下に危機感
リコーは環境問題に取り組む企業姿勢が評価され、国連と仏政府からCOP21の文書印刷を任されていた。現地に詰めていた加藤執行役員はサイドイベントに欧米企業トップが次々と登場し、「脱炭素にすべきだ」と訴える姿を目撃した。日本では二酸化炭素(CO2)排出削減量をいくらにするか議論しても、CO2ゼロの「脱炭素」は想定外だった。
そんな日本勢を一変させたのが17年11月、ドイツ・ボンでのCOP23だ。非政府組織(NGO)が石炭火力発電の廃止を各国政府に迫り、カナダや英国などが脱石炭連盟を発足。石炭火力を増設する日本は世界から批判を浴びた。現地にいた積水ハウスの石田建一常務執行役員は「日本が環境後進国と言われるのは悔しい」と語っていた。
加藤執行役員も石田常務執行役員、イオンの三宅香執行役などとCOP23を訪ねた。その模様が報道されたこともあり、加藤執行役員には他社から面談が殺到し、「どうしたら脱炭素宣言できるのか」と質問攻めにあった。環境分野での日本の地位低下を知り、企業に危機感が広がった。
リコーや積水ハウスなどが参加する連携組織「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」の説明会にも100社が詰めかけた。この組織は09年、気候変動対策への政策提言などを目指して発足。10社前後が続いていた会員数は、賛助会員を含め80社まで膨らんだ。
富士通、NEC、パナソニックも脱炭素を宣言し、RE100加盟の日本企業も12社に増えた。「ものすごいステップアップした」(加藤執行役員)。COP21から間もなく3年、日本でも脱炭素経営の機運が醸成されてきた。
