25日、答申について会見する石会長(撮影:徳永裕介)

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首相の諮問機関である政府税制調査会(石弘光会長)は25日、2006年度税制改正答申を小泉純一郎首相に提出した。所得税と個人住民税の定率減税は06年に減税幅を半分に縮小した後、07年に全廃を打ち出した。道路特定財源をはじめとする特定財源については、一般財源化を求めた。

 定率減税は、本来の納税額から所得税を20%(上限25万円)、住民税を15%(同4万円)控除する制度。小渕内閣が99年、景気対策として導入した。06年から減税幅を半減させることが決まっているが、残り半分の扱いが焦点だった。答申では「経済状況が導入当時に比べ改善している」として、全廃を提言した。

 また、一般財源化を求めた特定財源とは、使途が限定されている財源のことで、例えば揮発油税などの道路特定財源は道路整備に使い道が限定されている。答申では「資源の適正な配分を歪め財政を硬直化させる可能性があることから、一般財源として活用していくべき」と明記した。

 そのほか、2005年度末で期限切れとなる情報技術(IT)投資の一部を控除するなどの法人税減税措置の延長は認めなかった。酒税に関しては、税率区分の簡素化と酒類間の税率格差を縮小する方向で見直す必要があるとの考え方を示した。

 会見した石会長は「総理には『増税は大変だな』と言われた。いまの国の財政状況や、少子高齢化の中でどうしても財源が必要だと説明して、国民の理解を求めていくしかない。逃げ回っていてもしょうがない」と述べた。【了】

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