西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

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5月はここまで負け越しも2位日ハムに3.5ゲーム差の首位

 首位を走る埼玉西武は、4月終了時点で19勝5敗、勝率.792、2位・北海道日本ハムに5.5ゲーム差をつけた。5月は12日時点で4勝6敗と負け越しているが、依然、日本ハムに3.5ゲーム差をつけている。

 西武は3月30日の日本ハムとの開幕戦で打線が15安打11点を奪うと、エース・菊池雄星が7回を4安打2失点に抑え、11-2で快勝。開幕戦を制し、ここから1991年以来27年ぶりとなる開幕8連勝を成し遂げた。

 開幕から好調なチームを支えているのが強力な打線だ。1番・秋山翔吾がリーグ2位の打率.360、2番・源田壮亮も2番打者ながらリーグ5位タイの25打点、3番・浅村栄斗もリーグ2位の32打点、4番・山川穂高は打率.302、12本塁打、39打点。5番・森友哉もリーグ4位の打率.311を記録する。

 下位打線も昨季レギュラーに定着した外崎修汰が、得点圏打率.414と勝負強さを発揮。現役最多、6度の本塁打王のタイトルを獲得している中村剛也(現在故障離脱中)、2014年に本塁打王に輝いたメヒアが8番を打つなど、12球団屈指の破壊力を誇る。

 チームの数字を見ても、打率.283、206得点は両リーグでダントツ。打力に注目が集まりがちだが、走っても金子侑司が12盗塁、外崎修汰が8盗塁を記録するなど、リーグ2位の38盗塁をマークしている。

 投手陣もエース・菊池が5勝0敗、多和田真三郎が6勝1敗と、2人で貯金10を生み出している。その他の先発投手は、3月にトレードで加入した榎田大樹、7年目の十亀剣、新外国人のカスティーヨで計7勝を挙げる。

 牧田和久、シュリッターが抜けた救援陣は、セットアッパーとして期待された高橋朋己が故障で離脱したが、武隈祥太、平井克典が、その役割を担う。守護神・増田達至は防御率こそ3.60だが、リーグ3位タイの6セーブを記録している。

投打にバランスが良かった10年前の西武

 首位を走る西武だが、最後にリーグ優勝した10年前の4月の戦いぶりはどうだったのだろうか……。

 10年前の4月終了時点の成績は18勝12敗1分、2位・楽天に1.5ゲーム差をつけて首位だった。この年の西武を振り返ると、渡辺久信監督が就任し、片岡易之(当時の登録名、現巨人2軍コーチ)、栗山巧、中村剛也といった若手を積極的に起用した。

 25歳の片岡、24歳の栗山、フレッシュな2人が開幕から1、2番を形成。3番・中島裕之(当時の登録名、現オリックス)、4番・ブラゼル、5番・G.G.佐藤がクリーンアップを務めた。同年本塁打王に輝いた中村は6番を打っていた。

 4月終了時点の主力選手の成績を振り返ると、4番・ブラゼルがリーグトップの11本塁打、3番・中島がリーグトップタイの40安打、リーグ2位の27打点、1番の片岡がリーグトップの12盗塁と、2018年と同じように打って走れる打線だった。

【2008年4月終了時点の打撃成績】※基本オーダー
1(二)片岡 29試合114打数29安打1本塁打9打点12盗塁 打率.254
2(左)栗山 28試合90打数23安打1本塁打12打点7盗塁 打率.256
3(遊)中島 31試合131打数40安打7本塁打27打点6盗塁 打率.305
4(指)ブラゼル 31試合125打数31安打11本塁打22打点0盗塁 打率.248
5(右)G.G佐藤 31試合116打数37安打6本塁打19打点0盗塁 打率.319
6(三)中村 31試合114打数29安打7本塁打15打点2盗塁 打率.254
7(一)石井義 14試合32打数12安打0本塁打2打点0盗塁 打率.375
8(捕)細川 31試合100打数24安打3本塁打18打点0盗塁 打率.240
9(中)ボカチカ 11試合32打数9安打4本塁打10打点0盗塁 打率.281

 投手陣も4月終了時点で、エース・涌井秀章投手(現千葉ロッテ)が2勝3敗と黒星先行も防御率1.81、同年ヤクルトからFAで加入した石井一久投手(現プロ野球解説者)はリーグ2位の4勝をマークした。救援陣も守護神・グラマンが14試合に登板して7セーブ、防御率0.00、セットアッパーの岡本真也が12試合の登板で防御率1.46、小野寺力(現ヤクルト2軍投手コーチ)も17登板で防御率1.93と抜群の安定感を誇った。

 2008年、2018年ともに投打が見事にかみ合い、勝利をものにしている西武。10年前と同じ首位で4月を終えた今季は、このままリーグ優勝に向けてひた走ることができるだろうか。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)