日本労働組合総連合会(連合)の第9回定期大会=東京厚生年金会館で(撮影:吉川忠行)

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日本労働組合総連合会(連合)の第9回定期大会が5日、東京都新宿区の東京厚生年金会館で、2日間の日程で始まった。

 今期で退任する笹森清会長は、自民党が圧勝した衆院選結果について「日本人の気質が変わったというのか、『判官びいき』は薄れ、『勝ち馬に乗りたい』という方向に表が流れた」と評し、◆小選挙区の「威力」が表れた◆自公合同、野党分立の「05年体制」が明確になった◆「経営」対「労働」の構図が鮮明になった─などと総括した。

 その上で、笹森氏は「民主党イコール労働組合の関係は望んでいない」としながら、「労組脱却」を強調する前原誠司・民主党代表の発言に対し「選挙戦で全力を尽くした組合員に対してデリカシーのない言い方」と苦言を呈した。今後の選挙協力については「各候補者の人格と政策を見極めて、峻別(しゅんべつ)していけばいい」と述べた。

 笹森氏のあいさつを受け、前原氏は「政党と組合の考え方に違いがあるのは当たり前。しっかり議論しながらも是々非々の対応をしていくのが本来の政党の姿」と持論を強調。「しかし、応援をいただいている人は政党にとって神様だ。神様を切るようなことは今までの政治活動でしたことがない」と加え、労組との協力関係の継続を求めた。

 笹森氏は、パート労働者や経営者らと直接対話する全国行脚など、2期4年を通した労組再生の取り組みを振り返り「組合がいらないという人は誰一人としていない」と訴え、一部からの「労組=既得権益」との批判を一蹴。社会保障制度改革について、労使双方が参加する「社会保障の在り方に関する懇談会」(官房長官の私的諮問機関)の設置に結びつけた実績を示し、「壮大な制度作りに労働運動が主導権をとれるかもしれない」と改革をアピールした。【了】

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