プロ16年目のシーズンを迎えるオリックス・小谷野栄一【写真:編集部】

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小、中学でチームメート「憧れで、一目置く存在」

 中日に入団した松坂大輔との対戦を、誰よりも心待ちにしている男がいる。「素直にうれしかった。セ・リーグだから対戦できたとしても交流戦。レギュラーでいないといけないね」。今季プロ16年目を迎え、プロ野球界を引っ張ってきた「松坂世代」の1人・オリックスの小谷野栄一だ。

 幼い頃から松坂の背中を追い続けていた。小学時代は江戸川南リトル、中学時代も江戸川南シニアでチームメートだった。平成の怪物と呼ばれた右腕は当時から飛びぬけた存在だったようで「俺の中ではずっと憧れの存在。一目置く存在っているでしょ? それなんだよ。今も変わることはないし、これからも変わらない」と、同級生ながら一歩先を進む松坂を憧れのまなざしで見ていた。

 プロ入りしてから対戦したのは、わずか3打席。1四球を選んだがノーヒットに終わっている。この唯一の対戦は日本ハム時代の2005年だが、「やっぱり凄いままだった」と今でも鮮明に覚えているという。世代NO1の男は西武でエースとして君臨。日本のエース、メジャー移籍…いつも自分より一歩、先を進んでいった。それでも悔しさはなく、むしろ「どれだけやってくれるのか」と、喜びの方が大きかった。

昨年はチーム2位の打率.277「ポジションを譲る気はない」

 小谷野も十分過ぎるほど、プロの世界で結果を残してきた。日本ハム時代は4番を務め、2010年には109打点を挙げて打点王のタイトルを獲得。2015年にFAでオリックスに移籍後は、度重なるケガに悩まされ思ったような結果を残せなかったが、昨季4年ぶりに100試合出場を超えた。チーム2位の打率.277をマークし、ベテラン健在を見せつけている。

 37歳と体力的には若手に負けることもあるが、経験、技術で劣るとは思っていない。「強いチームになるためには若手が出てこないといけない。けど選手である以上、ポジションを譲る気持ちはない。個人的には去年以上の成績は残したいと思っている。大輔と対戦しないといけないから」。今年、中日との交流戦は5月29日からナゴヤドームでの3連戦。プロ16年目での初ヒットを夢見て、小谷野のシーズンがスタートする。(Full-Count編集部)