「資本主義の仕組みが変わってきた。モノがなくなることでも実は豊かになる」
―須藤さんはもともとリクルートの執行役員でしたが、起業してから何が大きく変わりましたか。
「一番大きく感じるのは、周りのしがらみがないってことです。今はリクルートという看板で活動をしていない。大きな組織だと、入ってくる情報にすごくバイアスがかかる。特に競合する会社の情報は全くフラットに受け取れなかった。今は、フラットにいろいろな方の話を聞けて楽しいですよ。自分たちがやっている事業がユニークだということも大きいですね」
―もともとコミュニケーション好きなんですか。
「僕が仕事をする動機でもあるんですが、分かることが好きなんです。正解か間違っているかは、とりあえずどっちでもよくて、新しいことを発見できることが喜びです。発見したことはすぐ人に話したくなりますね」
―最近、「これは」という発見はありましたか。
「資本主義やマネーの仕組みが変わってきていると改めて感じますね。モノを生産することで豊かになる社会が変遷を遂げているということです」
―その仕組みとは?
「モノを生産するということに対して相対的な価値が減っています。GDP(国内総生産)はすでに豊かさを図る指標ではない。例えば、CEO(最高経営責任者)は辞任したが、配車アプリの米ウーバーの企業価値が自動車メーカーを超えている。これが何を意味しているかというと、自動車を作った会社よりも、効率よく有効活用している会社の方にマーケットはお金をつけているわけです。モノを作る価値よりも、その後の循環とか利用とかに価値が移ってきている」
「『CtoC(一般消費者間の取引)』を見ると分かりやすいです。大量に売買が行われているけど、GDPには乗っかっていない。この前、ゴールデンウィーク中にいらないものを、メルカリで大量に売りました。家も綺麗になるし、相手に喜んでもらえるし、良い活動だなって(笑)。モノが生まれるだけではなくて、モノがなくなることでも、実は豊かになる。GDPではそれを捉えられない」
