“オーダーメード”細胞シート、傷による癒着を防ぎ回復を早める効果
福田准教授らが開発した手法は、内臓の形状をMRI画像から3次元化し、3Dプリンターの手法の一種「マイクロ光造形法」を使って鋳型を作る。内臓と同形のシートができるため定着しやすく、シートのムダも減る。
研究チームは3ミリ―4ミリメートルのウサギの形をした鋳型を作製した。その表面に、細胞に毒性のある金属を含まない生体適合性メッキ加工を施した。メッキの表面に短いたんぱく質をコーティングし、その上で細胞培養したところ、ウサギの形をした細胞シートが作製できた。この細胞シートに電位印加するとメッキ層とたんぱく質の結合が切断され、約5分でシートが鋳型から脱離できる。細胞シートをマウスの腹腔膜に移植し1週間後に観察したところ、移植した細胞シートは体内で定着していた。
既存の細胞シートは温度応答性ポリマーと呼ばれる材料の上で培養し、20度Cに下げてから約1時間かけて脱離する。福田准教授は「短時間で細胞シートを脱離できると移植が迅速にでき、細胞死を起こしにくくなる。血管のような構造のシートも作れる」と期待を述べた。
