ドジャース・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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常にFA市場1位だったが「目も当てられないくらい悲惨なWS」で…

 今オフのFA市場で、多くの米メディアからNO1評価を受けているダルビッシュ有投手(ドジャースからFA)。だが、移籍情報のスクープを連発することで知られる敏腕記者ジョン・ヘイマン氏は、ワールドシリーズでの2試合連続KOが響き、現在は“NO3”の立場になっていると分析している。

 現在、米新興スポーツメディア「ファンラグ・スポーツ」で記事を執筆するヘイマン氏は、「80人のFAトップ選手たちが勝ち取る金額はいくらになるだろう?」と題した特集記事で、今オフのFA選手たちを評価。その中で、ダルビッシュは3位でランクインした。

 シーズン開幕前から、オフのFA市場でNO1との評価を受けてきたダルビッシュ。今季、レンジャーズでは援護にも恵まれず、6勝9敗と黒星が先行したものの、7月のトレード期限でも目玉選手として注目され、“世界一請負人”としてドジャースに移籍した。新天地では成績が持ち直し、最終的には10勝12敗、防御率3.86でフィニッシュ。プレーオフでも地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズと好投したが、ワールドシリーズでは2試合連続で2回もたずにKOされ、先発としての役目を果たせず。ドジャースは29年ぶりの世界一に届かなかった。

 ヘイマン記者は寸評で「何か月か前にはこのリストにおいてNO1の位置を独占していた彼だが、目も当てられないくらい悲惨なワールドシリーズでの投球は彼の評価を若干損ねてしまった。彼は再び、大舞台で本領発揮できるかという問題を浮上させてしまった」と指摘。米国中が注目するワールドシリーズでの乱調で、順位を2つ下げたと見ている。

ダルビッシュの能力には高い評価も、WSのKO劇は「契約に大きく影響」

 勝敗数がそれほど重視されないメジャーにおいて、ダルビッシュがこれまでに残してきた数値はエース級との評価を受けている。ヘイマン記者も「彼は確かに素晴らしい才能を持っていて、とても気遣いができる。テキサス・レンジャーズの投手コーチたちを擁護するために(地元紙の)『ダラス・モーニング・ニュース』に送ったメッセージはとてもナイスな内容だった」と、投球に加えて人間性も評価。ただ、2度のKO劇がやはり響くという。

「しかし、ワールドシリーズで登板した2試合がどれだけ大事な意味を持っていたかを考えると、あの時のパフォーマンスは契約に大きく影響するだろう」

 ヘイマン記者はこのように言及した上で、専門家による予想では6年総額1億5500万ドル(約176億円)とされているダルビッシュの契約は、実際には6年総額1億4400万ドル(約163億4400万円)になると分析。総額で約13億円の開きが出ているが、それでも、年平均では2400万ドル(約27億2400万円)の契約を手にできるとの予想だ。

 なお、ランキングで1位とされたのはエリック・ホズマー内野手(ロイヤルズからFA)。寸評では「ユウ・ダルビッシュがワールドシリーズで悲惨な時を過ごして以降は、ホズマーがトップに位置している」として、7年総額1億6000万ドル(約182億円)での契約を予想。2位はJ・D・マルティネス外野手(ダイヤモンドバックスからFA)で6年総額1億5000万ドル(約170億円)、4位はダルビッシュと同じ先発のジェイク・アリエッタで5年総額1億2500万ドル(約142億円)、5位はマイク・ムスタカス内野手で5年総額8000万ドル(約91億円)となっている。(Full-Count編集部)