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近所に住むママ友がうちの車をあてにしていて、いつも乗ろうとしているーー。そんな相談が子育て情報サイト「ママスタ」の掲示板に寄せられています(「車無いママ」→http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=2522131 )。

そのママ友は車を持っておらず、「幼稚園の行事やPTAなどでは、必ず私が車を出す事になっています」「乗せてくれてありがとうの言葉や、ガソリン代を少し出してくれるとかも無いので余計にモヤモヤする」とのことです。

主に人間関係のトラブルについてコメントが集まっていますが、中には「他のママ友と子供を後ろに乗せたら白バイに捕まった」「事故を起こしたら取り返しがつかない」などの声もありました。

このように、ママ友や他の家の子どもを車に乗せる場合、そして事故を起こしてしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。五十嵐亮弁護士に聞きました。

●「好意同乗」どんなリスクがある?

「自分が運転する車で事故を起こして同乗者に怪我をさせてしまった場合には、運転者は同乗者に対し損害賠償義務を負います。これは友人に頼まれて好意により無償で同乗させていた場合(いわゆる「好意同乗」または「無償同乗」)でも同様です。

『好意で乗せてあげたのに』と思われるかもしれませんが、単に好意同乗であったというだけで、賠償額の減額を認める裁判例は最近では少なくなっています」

ママ友間となると、子どもを乗せる状況もあるだろう。

「6歳未満の幼児を車に乗せる場合には、チャイルドシートを使用する義務があります。さらに、装着せずに事故を起こすと子どもが重傷を負うリスクが高まります(致死率は20倍以上になるという統計データもあります)。その分、運転者が負担する賠償額が高額化するリスクがあります。

けがをさせ後遺障害を残してしまった場合には、賠償額が数千万円に上ることもあります。そして、チャイルドシートの使用義務違反の点数は1点となりますが、ママ友やその子どもを同乗させた場合であっても運転者が違反のリスクを負います。

このように、ママ友やその子どもを同乗させた場合には、事故や違反に対する責任は運転者にあります。ママ友やその子どもを自分の車に同乗させるときには、交通ルールを守って、安全運転を心がけるようにしたいものです」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
五十嵐 亮(いからし・りょう)弁護士
同志社大学法科大学院を修了後、2009年に弁護士登録。県内に5か所と東京に拠点を有する新潟第一法律事務所に所属し、交通事故をはじめとした事故賠償案件に注力している。
事務所名:弁護士法人新潟第一法律事務所 長岡事務所
事務所URL:http://www.n-daiichi-law.gr.jp/