チェルシーの元イングランド代表DFジョン・テリーが15日、今季限りで現役を引退する可能性もあると明かした。

チェルシーのユース育ちで、1998年のトップチームデビュー以来、クラブ一筋で戦ってきたテリーは、4月に今季限りで退団することを発表していた。

12日のウェスト・ブロムウィッチ戦でプレミアリーグ優勝を決めたチェルシーは、15日にホームで未消化分のワトフォード戦に臨んだ。今季はリーグ戦で9月中旬以降先発出場がなかったテリーだが、戴冠が決まったことでアントニオ・コンテ監督が粋な計らいを見せ、スタメンに名を連ねる。

すると、テリーが魅せる。22分、CKからゴール前のこぼれ球を押し込み、先制点を奪ったのだ。テリーは今季初得点。プレミアリーグで得点を記録したシーズンの数は「17」となり、ライアン・ギグス(21)、ポール・スコールズ(19)、フランク・ランパード(18)に続く記録となった。


感極まった様子を見せたテリーの活躍もあり、チェルシーは2-1で前半を終える。


後半も両チームが2点ずつを奪い、試合は4-3でチェルシーが勝利。テリーは凱旋試合でフル出場し、見事な活躍を披露した。

その試合後、テリーは英『スカイ・スポーツ』で次のようにコメントしている。


「僕はコンスタントに試合に出たいと言った。それは覚えている。でも、日曜の試合(サンダーランド戦)がラストゲームになり、引退する可能性も排除はしない」

「適切なオファーが届くかどうかによる。それが届けば、国外だろうが、話し合い、家族と考える。でも、まだ決めていないんだ。今は自分の選択肢を検討しているだけだよ」

今季は出場機会が限られたが、コンテ監督に対する不満はなかったようだ。

「ベンチに座り、違う観点で試合を見たことはすごく役立った。将来的にマネジメントする側になったら、役立つだろう」

「監督は僕に対して素晴らしかった。僕を外すのは、おそらく厳しい決断だったと思う。でも、彼はオフィスに僕を呼んで、とても誠実だった」

「今季のような関係を監督と築けたのは初めてのことだ。誠実で、敬意があり、コミュニケーションも素晴らしかった。選手として望むすべてだ」

「監督は僕に対して非常に明確に、ハードワークできても、ほかの選手たちが良いプレーをし、チームが勝っていれば、戻ることはないと伝えていた」

「僕はみんながうまくやり、勝ち続けることを願っていたよ。監督は素晴らしかったし、僕にとって偉大な模範だった。自分が指導していくうえで取り込んでいきたい」

こういった姿勢が、テリーをチェルシーのレジェンドにしたのだろう。クラブは“王冠”を被るテリーに「キャプテン、リーダー、レジェンド」と賛辞を寄せている。


21日のサンダーランド戦は、チェルシーとスタンフォード・ブリッジでのラストゲームのみならず、テリーにとってプロサッカー選手として最後の試合になるのだろうか。