「5歳未満の子供はお断り」のレストラン(出典:https://www.facebook.com/Carusos-Fine-Dining-266868693755484)

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米ノースカロライナ州ムーアズビルにあるイタリアンレストランで、今年1月から「5歳未満の子供はお断り」という新たなルールを発表した。批判はあったもののそれ以上に称賛の声があがり、現在では予約が殺到しているという。

普段は子供といるからこそ時には落ち着いたレストランでゆっくりと美味しい食事を味わいたいという人、その一方で“高級”と名乗るレストランに幼い子を連れてきて周りの客に迷惑をかける家族もいる。そんな子連れ客にうんざりしたレストランが苦渋の決断を下した。

高級レストラン「Caruso's」はウエブサイトにて「本格的なイタリアン料理が楽しめる、高級でロマンチックなレストラン」と謳うように、地元では人気で評価も高い。しかしここ最近は子供連れの客の態度が問題となり、複数の常連客からの苦情が相次いでいた。

ある日のこと、「Caruso's」を訪れた一家が子供にiPadを使用させており、その大音量にスタッフは両親に注意を促した。しかし親は周りの客を気にすることもなくそのままにしていたため、最終的にはその家族へ退店するように伝えなければならなくなった。

この件を対応したマネージャーのヨシ・ヌーニャスさんは「以前にもやんちゃな子が来たことはありますが、今回は親も態度がなっていないと思いました。こちらの退店のお願いに家族は不快感を露わにしていましたが、我々としては他のお客様のことも考慮しなければいけません。親に子供のしつけについて店側が口出しすることなどできませんから」と話している。そしてこの出来事によって、今年1月以降「5歳未満の子供の入店禁止」にした。

レストランやカフェなどの飲食業界では「子供の入店を禁じること」は恒例の話題だとヌーニャスさんは言う。子供にフレンドリーな店は世間の評価も上がるものとはいえ、「我々はオーナーの結論を100%サポートしています」と今回、レストラン経営者のパスクァーレ・カルーソさんが出した決断に満足しているようだ。

カルーソさんは「このような結論を出すことに躊躇しました」と述べたうえで「私は全てのお客様に喜んでもらえるように心掛けてきました。友人やカップルが素敵な夜を過ごして頂きたいという思いがあったからです。ところが幼い子が来るようになってからは床に食べ物が落ちたり、子供らが大声で走り回ったりして、来店者や売り上げもダウンしました。最終的には何がベストかを考え、このような決断を下しました」と語っている。

1月以降、同店のFacebook「Caruso’s Fine Dining」には様々な意見が届いている。「子供入店禁止」のルールに対して「子供を禁止した後は、今度は食べるのか遅いお年寄りを禁止にするのか」「子供の次は黒人入店禁止? それともユダヤ人かネイティブアメリカンかしら。こんなの差別よ。恥を知るといいわ」と言った批判も相次いだ。しかしながら店側の勇気に称賛する同業者や、幼い子供を持つ親である立場の人たちは「子供はじっと座っていることなんてできないわ。私も親だけどこういう店に子供は連れてこないし」「子供がいるけどやっぱりレストランでは子供のうるさい声なんて聞きたくない」「10歳未満を禁止にすべきだと思う」といった声も見受けられる。

実はこのルールを設けて以来、「Caruso's」には予約が殺到し一日50人ほどだった客が80人くらいまでに増えたそうだ。

「Caruso's」だけでなく、イタリア、オーストラリア、韓国、米ペンシルベニア州やテキサス州、カリフォルニア州など各地に「子供はお断り」としているレストランは存在するようで、そうした店は珍しくもないという日が来るのかも知れない。

出典:https://www.facebook.com/Carusos-Fine-Dining-266868693755484
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)