WBCでは初となる1次ラウンド3連勝で2次ラウンド進出を決めた侍ジャパン。11日放送、TBS「バース・デイ」では「侍JAPAN 2次ラウンド進出 世界一への課題と収穫」と題し、里崎智也氏、山田久志氏がキューバ戦&オーストラリア戦を振り返った。

第1回大会で世界一を経験している元WBC日本代表・里崎氏は、「先発の石川、菅野両投手の抜群の安定力っていうのは安心感を与える。なんといっても先発がしっかり試合を作らないと短期決戦の場合は勝ちきれない」と評価したが、今後の戦い方には「調子の良い選手、悪い選手っていうのは必ず出てくる。その中で見極めて、選手に遠慮することなく調子の良い選手を中心に編成できるか」などと、小久保監督やコーチ陣の采配を課題に挙げた。

また、第2回大会でWBC日本代表の投手コーチを務めた山田氏は、「継投は成功して当たり前」と前置きすると、「一つ遅れたって大きな致命傷になる可能性あります。これほどメンバーがいれば誰が行ってもいいような感じだけど、実際はそうじゃない」と侍ジャパンの継投策に苦言を呈した。

山田氏が挙げたのは、7日のキューバ戦における則本昂大の起用だ。2-1と日本が1点リードで迎えた5回表、2番手で登場した則本は、相手の攻撃を3人でシャットアウト。それでも、リードを広げた7回にデスパイネにホームランを打たれると、連打を浴びて崩れ始めた。

「ベンチは恐らく7-1となった時点で、少し余裕を持ったと思う。ベンチが持ったということは則本も(余裕を)持ってるんです。リードが広がったんで楽な気分でマウンドに行ったと思う」と指摘した山田氏。その後、権藤博投手コーチがマウンドに行くも、則本は続投。その直後にタイムリーヒットを浴び、7-4の3点差にまで詰め寄られている。

「点差があったから続投だったと思うんです」という山田氏。「ピンチを事前に大きくしないというのがこういう大会の大きなポイント」と続けると、「色んなボールを打たれ出したので、ピッチャーとしたら不安な状態になる。小久保監督、権藤コーチも則本をこれからどういう場面で使えばいいんだろうかっていう、少し不安が残ります」と語った。

さらにリリーフの課題について、山田氏は「抑えを誰にするか、それはハッキリ決めなくちゃいけません。これは今の野球では鉄則」とキッパリ。クローザーの第1候補に秋吉亮の名前を挙げていたにも関わらず、キューバ戦の小久保監督は、8回表にピンチを迎えたイニングの途中で秋吉をマウンドへ。その一貫性のない継投には、解説を務めていた原辰徳氏からも「ベンチの意図がなかなか僕のところに伝わってこない。平野を代えたという意図が分からない」と指摘されたほどだった。

番組の最後、山田氏は「無駄な点数は1点もやらない」とWBCの戦い方を示すと、「色んなことを練り直して、しっかりとした野球をやる。守る野球です、侍ジャパンは。リリーフ陣が頑張ったところが王者になる。いざという時にどんなバッターにでも通用するリリーフを一人抱えておく」と提言した。