先のカリアリ戦で9試合連続のベンチスタートとなり、出番もなかった本田。しかし、現時点では1月に移籍する可能性は低い。写真:Alberto LINGRIA

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 カルロス・バッカが88分に挙げたゴールが決勝点となり、現地時間1月8日のカリアリ戦(セリエA19節)を1-0で制したミラン。試合後、アドリアーノ・ガッリアーニ副会長がTVインタビューで今冬の移籍市場について口を開いた。
 
「ミランがいま探しているのはサイドアタッカーだけだ。デウロフェウについては、私たちは自分たちの意思を示した。買い取りオプション付きの半年レンタルを受け入れるか、エバートンの決定を待っているところだ。ケイタも素晴らしいウイングだ。親友のロティ―ト(ラツィオ会長)に譲ってもらえないか尋ねたよ。でも1月に来る可能性はゼロだろう」
 
 噂されていた通りジェラール・デウロフェウ(エバートン)とケイタ・バルデ・ディアオ(ラツィオ)の獲得に動いていることを認めたガッリアーニ副会長。さらにミランは、マンチェスター・Uで出番の少ないメンフィス・デパイにも関心を示しているようで、今冬の最大の目標がウイング補強であることは間違いない。
 
 カリアリ戦ではなかなか1点を奪えず、終盤には4-2-4の超攻撃的布陣で戦ったミランだが、両翼のスソとエムバイ・ニアングは90分間プレー。前者はドリブルとクロスで違いを作る一方、後者は期待を裏切る出来だったが、この日はインサイドハーフで先発したウイング兼任のジャコモ・ボナベントゥーラが途中交代していたため、サイドアタッカーの控えはここまでノーインパクトの本田圭佑しかいなかった。
 
 ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督には2人をフル出場させるしか手段がなかったのが実情であり、たしかに今冬のウイング補強は必須と言える。
 
 仮にウイングのテコ入れに成功すれば、公式戦で9試合連続のベンチスタート(ここまで95分間の出場)の本田はさらに苦しい立場に追い込まれるはず。実際、今年6月で契約満了ということもあり、ここ数か月の本田には中国、MLS、そしてプレミアリーグ(サンダーランド、ワトフォード、サウサンプトン)への移籍が取沙汰されてきた。
 
 しかし、デウロフェウやケイタについて語った後にガッリアーニ副会長は、今冬の放出に関してこうコメントしている。
 
「ルイス・アドリアーノはスパルタク・モスクワと合意した(正式発表待ち)。あとはロドリゴ・エリーとレオネル・バンジョーニだね」
 
 放出候補に本田の名前はなし。噂に挙がるクラブから正式オファーがないからなのか、本田がそれらのクラブからの条件に満足していないからなのか、それともウイング補強が実現しなかった場合の保険として計算しているのか、真相は藪の中だが、現時点では本田が1月中にミランを去る可能性は低いと言える。
 
 もちろん、冬の移籍市場が閉まる1月31日までに状況が変わる可能性はある。はたして、本田の運命やいかに?

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