かぶった森谷に「どけ!」 鮮やかカウンターで憲剛がダメ押しゴール
最後に試合を決めたのはやはり背番号14だった。川崎フロンターレの1点リードで迎えた後半アディショナルタイム。広島はCKのチャンスを獲得すると、GK林卓人もゴール前に上がってきた。しかし、MF柴崎晃誠のキックは川崎Fの選手がクリアし、セカンドボールをつなぐ広島に対し、右サイドのタッチライン際でDFエウシーニョがボールをカット。そのままドリブルで駆け上がり、カウンターに出ると、DF登里享平、FW小林悠とつないでMF中村憲剛にラストパスが通った。
「(森谷)賢太郎が最後までかぶっていたので、『どけ』って。『オーケー』か『どけ』か忘れたけど」。そう笑った中村は林と1対1で対峙してからも冷静だった。「最初は(林)卓人の間だったので、ステップを踏むことで最後は自分の間で打つことができた。コースは見えていたし、だいぶ落ち着いていた」。右足でゴール右隅に流し込み、2-0とダメを押した。
「『どけ』と言った手前、これを外したら何を言われるか分からないなって、いろいろ考える時間があった」。冗談交じりにシュートの瞬間を振り返ったが、この一戦に懸ける思いもあった。今月12日に風間八宏監督の今季限りでの退任が発表され、迎えた初の公式戦。「このメンバー、スタッフでやれるのはあと2か月。悔いなく1試合1試合全力を尽くそうという話はしていた。苦しい試合だったけど、そういう思いが最後に出たのかなと思う」と力を込める。
年間首位の浦和を勝ち点1差で追走する川崎F。第2ステージも残り2試合で首位・浦和を勝ち点6差で追い、わずかながらに逆転の可能性を残している。「自分たちはとにかく勝ち点3をつかまないと先に進まない。最近は勝ったり負けたりが続いているので、次のアウェー鹿島戦は絶対に勝たないといけない」。年間勝ち点1位、そして悲願の初タイトルへ、“風間フロンターレ”の集大成を見せるつもりだ。
(取材・文 西山紘平)
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