熊本県で規模の大きな地震が断続的に発生し、多くの死傷者が出ている。気象庁は17日に「引き続き警戒が必要」と発表するなど、地震発生から数日が経過しても今なお予断を許さない状況が続いている。(イメージ写真提供:123RF)

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 熊本県で規模の大きな地震が断続的に発生し、多くの死傷者が出ている。気象庁は17日に「引き続き警戒が必要」と発表するなど、地震発生から数日が経過しても今なお予断を許さない状況が続いている。

 日本は地震災害の多い国だが、それは中国も同様だ。これまでにも四川省のほか、青海省、雲南省などで大きな地震が発生し、そのたびに多くの人が犠牲になった。現在の日中関係は微妙な状況にあるが、中国のネット上では自然災害を前に「人道的」な見地に基づいた言動を取るべきであるとの見方が広まっている。

 中国メディアの捜狐はこのほど、日本ひいては世界各国で起きる地震災害は中国で過去に発生した災害を思い起こさせるものであり、中国人の心を震わせるものであると主張。さらに、日本では地震発生後も秩序ある社会が保たれており、日本人の民度の高さ、秩序ある救援活動に対して、中国人はその都度、心を打たれると主張した。

 記事は、日本と中国の間には歴史問題や領土をめぐる対立があり、一部では日本を激しく憎む中国人が存在することを指摘する一方で、災害に直面した日本人の姿は「敬服させられるもの」であると主張。さらに、人類の価値観は大きな力を持つ自然がもたらす災害の前では意味を成さないと指摘したうえで、「立場や原則、恨みといったものも意味を成さない」と主張し、あくまでも人道的見地から行動すべきであると論じた。

 記事が主張している内容は正論といえるが、これまでの中国のネット上ではあまり見られなかった主張だ。日中関係が冷え込んでいた際は、こうした意見を発表するだけでも批判の対象になったためと推測されるが、その一方で中国も非常に成熟した考え方が広まってきていることが見て取れる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)